yuma yamaguchi

〈Concordia〉は、音楽家yuma yamaguchiが東京・お台場のアートプロジェクトに書き下ろした楽曲であり、同曲のミュージックビデオや一連のリミックスなどを制作した総合的な企画でもある。その背景は音楽プロデューサー剣持学人との対談で伝えたが、それに続くこの記事ではリミックスにフォーカスを絞った。リミックスを担当した坂東祐大、バスティアンゴート、ドリアン・コンセプトの3人が綴ったコメントをお届けしよう。

yuma yamaguchi 『Concordia』 LISZTOMANIA INC.(2025)

 

坂東祐大

由馬さんとは、もともとたくさんの共通の知り合いがいて、よく作品は愛聴していました。

そんななか、あるとき、由馬さんのレコーディングを終えたフルート奏者の多久潤一朗さんから「坂東くん絶対、由馬くんと気が合うと思うよー」とLINEがあり、それは会わねば、ということで勢いで実際にご飯に行くことになりました。多久さんの預言は見事に的中し、その日は夜までずっと話し続け、そこから頻繁に連絡を取り合う仲になっています笑

由馬さんの作品は、その繊細さや緻密さに、同志のような気持ちを抱きつつ、いつも勇気をもらっています。今回のプロジェクトのリミックスを手がけることになり、原曲を改めて聴いたとき、ソリッドでありながらも温かみのあるピアノの16分音符のパッセージや、魅力的な木管楽器の細かいフレーズの機微に、改めて由馬さんらしさを感じました。

リミックスにあたっては、音楽を再構築するという視点から、「もしこの曲が同じ素材を使って違う展開をしていたら?」という方向性を考えました。そのため、由馬さんのフレーズ感はそのまま活かしながらも、展開を全く異なる形に変えるというアプローチを取りました。また、最近ずっとシンセに凝っていて、今回のリミックスでもアナログシンセをいじり倒しながら、フレーズを色々と作ってみました。

完成したリミックスを多久さんに聴いてもらったところ、「由馬くんと坂東くんの音楽が融合してる!」と感想をもらい、とても嬉しくなりました。もしこのリミックスを気に入ってもらえたら、ぜひ由馬さんや僕の個人の作品と共に聴き比べてみていただけたら嬉しいです。そして、またリミックスに戻って聴いていただくと、さらに新しい発見があるかもしれません!

 

bastiengoat

今回、このリミックスを担当させてもらったことはとても光栄でした。というのも、yumaの作品のクオリティと音楽性が高いから。

彼のような音楽を作る作曲家やアーティストとリモートで仕事をしたのは初めてでした。

作曲と一体になったアレンジも、そしてそれが作品にもたらすストーリーテリング要素も、僕は大好き。

僕は、自分の曲では大胆なストーリーを描こうとすることがよくあるけれど、この曲のリミックスではオリジナルが持っているその面をすごく大切にしたいと思いました。リミックスを通して、軽やかさや美しい瞬間と、それに続いてダークで重厚なサウンドをミックスし、それらを融合させることを目指したんです。

素晴らしい経験でした。みなさんにすべてのリミックスを楽しんでもらえたらと思います。

Taking on this remix was an honor due to high quality and musicality of Yuma’s work.

I have never worked with a composer or anyone that makes music remotely similar to his.

I love through-composed arrangements, and the story telling aspects it brings to the piece.

I often attempt to paint an adventurous story with my music, so when remixing this piece I very much wanted to honor that aspect of the original. Throughout the remix, I attempted to create mixtures of light, pretty moments, followed with dark heavy sounds and then mesh them together.

This was a great experience and I hope people enjoy all of the remixes.