スリップン・スライドでの充実作『The Remedy』から3年ぶりとなる8枚目のアルバムが、名盤の誉れ高い『J.E. Heartbreak』(2000年)の続編を名乗って登場。同作は当時のグループ戦国時代に乗り遅れた彼らがブレイクした記念碑でもあったわけだが、そんな連続性はともかく、今回も強靭なリードと美しいハーモニーが織り成すクォリティーの高さに圧倒される。ケイシー兄弟とブライアン・マイケル・コックスがミディアム~スロウ中心にセンシュアルな楽曲群を仕立て、デュプリ仕事らしいドープ・サウスな“Wanna Be(Romeo)”、アルB・シュア!使いの808系スロウ“Love Come Down”などのフックも要所に挿入。とはいえソー・ソー・デフ復帰を話題の中心に据える必要もないほど、余裕で我が道を貫いた傑作だ。