アーバン・リスナーにも馴染みのあるシルク130をはじめ、自身のオヴァムから90年代にデビューした際のスクーバ、あるいはコンポストと契約していたノヴァ・ドリーム・シークエンス……と、多名義を常に併用してきたキング・ブリット。ヒップホップやレア・グルーヴ、ディスコやハウス、アフリカ音楽など、クリエイターとしてもDJとしても己の宇宙に多様な音を取り込んで咀嚼してきたキャリア20年のヴェテランが、フロストン・パラダイムとして思わぬハイパーダブ・デビューを飾ったのは、『Chasing Rainbows EP』を発表した2012年のことだった。
FHLOSTON PARADIGM The Phoenix Hyperdub/BEAT(2014)
今年に入って発表されたファースト・アルバム『The Phoenix』の音楽性は、コード9いわく「サイエンス・フィクションをテクノ・ファンクに落とし込んだ感じのアルバム」。ダビーでアンビエントなテック・ハウスという個性は、同郷フィリーの詩人としてお馴染みなアーシュラ・ラッカー、雰囲気のある歌唱を聴かせるレイチェル・クローディオといった面々の振る舞いもあって、ディープな情緒を奥行きのある空間に解き放った音響芸術の域に。来日時はぜひ深い時間に登場して漆黒の底のグルーヴで泳がせてほしい!
▼関連作品
キング・ブリットの2010年作『The Intricate Beauty』(Nervous)
※ジャケットをクリックするとTOWER RECORDS ONLINEにジャンプ
Hyperdub10 Closing Event
【出演】コード9、フロストン・パラダイム、DJスピン、クーリーG
12/19(金)東京・渋谷WOMB
12/20(土)大阪・CIRCUS
http://www.beatink.com