フェラ・クティのアフロビート確立に大きく寄与し、全盛期とされるアフリカ70時代までそのサウンドの要を担っていた文字通りの生きる伝説であるドラマー、トニー・アレンの通算10作目。デーモン・アルバーンをゲスト・ヴォーカルとして迎えたサイケ・ポップ《Go Back》をはじめ王道アフロビートやミニマムなダンス・ミュージック、ジャズ~ファンクを飲み込んだサウンドを、全く衰えることのない卓越したスティック捌きで痺れるほどタイトなドラミングを繰り出し華麗に料理する様は、まさに生きる伝説と呼ぶに相応しい存在感。常に先進的であろうとする音楽家としての矜持を強く訴える充実作。