〈ネクストDE DE MOUSE〉と例えられたことにも納得のドリーミーな“Paradoxical Scream”“Refracted Sadness”や、禁断の多数決“透明感”の姉妹曲であろう“MISS ME”、パーカッシヴ・テクノ仕様となったglobeの“DEPARTURES”のカヴァーなどで最新作の持つJ-Pop感覚、ロマンティシズムを示しつつ、声ネタを多く配したクリック・ハウスエレクトロでぶち上がる初作『Idiot Pop.』が登場したのが2009年。その方向性を踏襲した2枚のEP『Idiography E.P.』(2010年)、『Idiography E.P. vol.2』(2011年)の合間にはスクエア・エニックス発のゲーム音楽のリミックス・シリーズ第3弾『More SQ』や、tofubeatsRE:NDZsasakure.UKらも名を連ねたジブリ曲のカヴァー集『キラキラジブリ -RETURNS-』にも楽曲提供し、2012年には2作目『EXWORLD』をリリース。サンプリングを主軸に置いた作りながら、フレネシとキッズ・ヴォイスの掛け合いがキュートな“Anyway Someway”、ヒューゴ・マニュエルが参加した切ないチルウェイヴ“Love I Want”、PandaBoYをフィーチャーした“Beautiful Stranger”あたりに〈歌〉と向き合うこととなる『UNIVERSE』への導線が垣間見える。そして、2013年にはリミックス集『TOY POP』が到着。fu_mouAvec Avecらネット界隈の俊英による改編曲や、PANORAMA FAMILYを迎えたIdiot Pop初のラップ・チューン“POWER OF LOVE”は、ここで聴くことができる。


▼Idiot Popの作品

左から、Idiot Popの2009年作『Idiot Pop.』、2012年作『EXWORLD』、2013年のリミックス集『TOY POP』(すべてIdiot Pop)
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