[ 緊急ワイド ]彼女のメロディー、彼女たちのビート
もはや出自やフィールドに縛られることなく、ロックやバンド活動へ挑む女子たちが愛される時代……賑やかさを増すその現状を、駆け足で紹介してみましょう!!
〈カワイイ〉と〈カッコイイ〉の両方を追求してきた4人が自信をもって届ける、〈無音の警告〉に痺れちゃえ!
自分たちを出せた自信作!
今年1月、ガールズ・バンドとしてはメジャー・デビューから最速で日本武道館公演を成功させたSilent Siren。〈サイサイ〉の愛称で親しまれ、メンバーのすぅ(吉田菫:ヴォーカル/ギター)、ひなんちゅ(梅村妃奈子:ドラムス)、あいにゃん(山内あいな:ベース)、ゆかるん(黒坂優香子:キーボード)は、全員が読者モデルとしても人気を集めている4人組だ。
そんな彼女たちが、3枚目となるニュー・アルバム『サイレントサイレン』を完成させた。女の子ならではのキラキラしたパワーを詰め込んだ“ラッキーガール”“BANG!BANG!BANG!”“恋い雪”というキャッチーなシングル曲を筆頭に、今作では、これまで以上にバンド感が全面に打ち出されたロックなナンバーが目白押し。個性を色濃くしながら、確実にスケールアップした楽曲が顔を揃えた印象だ。
「私たちは2010年に結成してからずっと、ポップも好きだしロックも好きで、持ってるのはひとつの顔だけじゃないんだってことを言ってきたんですが、武道館を終えたタイミングで、自分たちがいままでやってきたことを総称するとしたら何なんだろうと考えた時、あぁ、それこそ〈Silent Siren〉だよなって思ったんです」(ひなんちゅ)。
つまり〈無音の警告〉。彼女たちが表現してきた〈両極〉の意味を持つ言葉であり、今回の作品の幕を開けるインストのタイトルでもある。
「そのタイトル通り、Silent Sirenのポップな一面とロックな一面の両方を、アルバムの1曲目から全面に出せたのがすごく嬉しい。これがいまのSilent Sirenだって言える自信作です」(あいにゃん)。
ポップなだけじゃなく
バンドを結成して初めて作ったオリジナル曲であり、ライヴでも大切に歌い続けている“チラナイハナ”(2012年のファースト・ミニ・アルバム『サイサイ』に収録)のアンサー・ソングとして書き下ろした“KAKUMEI”。タイトルのインパクトを遥かに越える、ユーモア炸裂の歌詞とこだわりの楽曲構成が光る“女子校戦争”など、これまで積み重ねてきたサイサイらしさをベースにしながらも、これまで以上に思いきりアクセルを踏み込んだ挑戦的な姿勢が窺えるのも今作の特徴だ。
「ひとりの女の子がいたとしたら、“ラッキーガール”みたいなポジティヴな気持ちにもなるだろうし、“手をつないで”みたいな友情の気持ちもある。“恋い雪”みたいな温かい恋の気持ちもあるけど、“ストロベリームーン”のようにひとりでぼんやりと考え込んでる時間もある。サウンドの感じだけじゃなく、〈人間の気持ち〉という意味でも、ポップな面だけじゃなく陰の面もあることがうまく出せたんじゃないかなと思います」(すぅ)。
「例えば“Routine”では、〈生きたい〉とか〈死にたい〉なんてこれまでには無かったようなワードも出てきたし、逆に“曖昧 me mine”のように、恋する女の子が聴くとワクワクドキドキするようなカワイイ世界観もある。最近初めてサイサイを知ったという人にも、これから聴いてみようかなと思っている人にも〈Silent Sirenってこういうバンドなんだ〉ってことがちゃんと伝わる一枚になったと思います」(ゆかるん)。
これまでももちろん、全力で作り上げたアルバムに対しての自信は口にしてきた彼女たちだが、今作はその自信が、出来上がったものに対してだけでなく、このアルバムから始まる自分たちの未来に対しても向けられているようだ。
自身の名を掲げた自信作を携え、春からはNHK大阪ホール2デイズや渋谷公会堂2デイズを含む、全国13か所17公演を回るツアーがスタート。台湾と香港でのライヴも決定するなど、2015年のSilent Sirenはさらなる勢いでパワーアップしていきそうだ。