「スペース☆ダンディ」のサントラではmabanuaとのコラボを経験した彼女。表層的なイメージ以上に想像を喚起する声質とタイトなライミングの融和が大きな味わいどころで、MACKA-CHINとのレゲエからkyokaのダンス・トラックなど、多彩なビートに応じるヴォーカリゼーションの多様な変化も重要なポイント。
DCPRGやJAZZDOMMUNISTERSでみずからマイクを握り、ラップ表現も意欲的に取り込んできた菊地成孔。で、本作に収録された“I.C.I.C.”ではJAZZDOMMUNISTERSの“XXL”でSIMI LABのMARIAとも絡んでいた謎の女性ラッパー(という設定)ICIを召喚。菊地自身のムーディーなフロウに拙い語り口の女声が機能した、愛すべき逸曲です。
3MC+1DJユニットの現時点での最新シングルはスチャダラパー“サマージャム'95”のオマージュ曲となる冬ソング。オールド・スクールなファンキー・フロウと〈さんピン〉時代からの引用を仕込んだリリックが彼女らの特徴ながら、ここでの平熱ぶりがかくも長い不在に重なる部分もあり……春が来るといいですね!
いわゆる歌も交えながらラップ主体のヴォーカル表現を聴かせる、コムアイをフロントに据えたユニットの新作。韻よりもシャープな単語の連なりを意識したリリックはいわゆるラップ的なデリヴァリーとはひと味異なる直線的なもので、それゆえのナンセンスな味わいやフリーキーなフロウ展開が聴きどころ。
LOW HIGH WHO?の仲間から★STAR GUiTARにm-floまで客演の幅を広げているdaoko。等身大のリリシズム云々より以前に、拙げなウィスパリング・ヴォーカルの語り口自体にそのフィーリングは宿っている。この肌の纏ったヒリヒリするような体温は〈10代〉や〈女子高生〉などのキーワードなしでも伝わるものでしょう。
実の双子姉妹ラップ・ユニットのデビュー・シングル。仕掛人はtengal6の初作に佳曲“perfect☆キラリ”などを提供していたROMANTIC PRODUCTIONSで、リリックは同曲と同じく餓鬼レンジャーのポチョムキンが担当。tengal6ばりにウキウキするような日常トークの可愛らしさにフォーカスしています。
別掲の泉まくら盤にもハシダカズマが参加している箱庭の室内楽にプロデュースを委ねたコラボ作。リリックをDOTAMAが書いた正統派(?)のキューティー・ラップ“木曜アティチュード”、不安定さが味な“私と私と私と私と私と私と私と私と”、散文調と会話にモノローグも交じる“おこしてしまった?”など、女子トークの多様な側面がここに。
ちなみにこの名前のラッパーです。言葉の用途はいろいろなのでラップの使い道もいろいろ。この〈くいしんぼうヒップホッパー〉は栄養学の視点から料理にサブジェクトを絞ってユニークな活動を展開中です。メジャー・デビュー作となる本EPでは、表題通りのシーズンに合わせたトピックで楽しませてくれます。
メガネのMCいつかとDJゴンチによって結成され、大手メディアの注目を集めたコンビ。いつかは『MAJO EP』(2012年)で記憶される〈毒舌メス猫MC〉ことメリヤス♀としても知られていましたが、ここではよりテーマを明快にする形で己をイライラとカリカチュアライズ。年頭からの配信シングル連発に続く展開も楽しみです!
意欲的なチャレンジが大盛りのニュー・シングル。TYPE-Bに収録のTeam S曲“猫の尻尾がピンと立ってるように...”にはBOSE(スチャダラパー)をフィーチャー……メンバーはラップしとらんやん!と思いきや、TYPE-Cの特典映像にはダースレイダーが仕切るTeam KIIの〈フリースタイルRAPバトル〉のコンテンツを収録。これは凄いよ!
アイドルだけでも女性ラップだけでもないのですが、今回のページを補完する一枚として大推薦! 古今の邦楽全般を自由に繰り出すセンスはパーティー侍ならでは。オミールの好きなキミドリ“自己嫌悪”もyukaDも泉まくらもライムベリーもGAGLEも縦横無尽にミックスし、MICADELIC & 電撃ネットワークでシメる構成が流石すぎる!