10代の記録とも言える、シングル4枚を重ねての初作。イントロからニヤリとさせられる“Go Together”、VERBALとのセンシュアルな“Till Morning Comes”など、大人びたR&Bテイストが全編に統一感をもたらしている。ほぼ全曲の詞を書いた主役の当時の心情は、現在も愛される名スロウ“walk”に明らか。
“real Emotion”のヒットに続いた2作目。Clench & Blistahを迎えた冒頭の“Teaser”や“BOY FRIEND?”など翳りのある歌唱とデスチャ以降のバウンシーな音風景が快く馴染む。ファンキーなディスコ“To be one”などアレンジの多様さも相まって、これは初期の代表作としたい。
思いっきりTLCな“Break it down”など、前作で邂逅した今井大介とのマッチングが楽しい3作目。ダークチャイルド風味なAKIRAの“Get Out The Way”やLISA作のバラードが一貫した幹を作り、多様なシングル群もそこにうまく巻き込んだ印象だ。なお、本作初回盤のボートラにて“キューティーハニー”が初出。
くだけた表情のジャケからして変化を感じさせる転換期の一枚で、初めてチャートTOP3入りを記録した勝負作。KM-MARKITを迎えたハードな“Hot Stuff”や絶品のバラード“奇跡”など従来路線のクォリティーもアップしたぶん、明るいトーンの関西弁で押す“LOVE HOLIC”などの挑戦も却って際立つ格好に。
ベスト盤2枚を経て矢継ぎ早に発表され、4週連続1位を記録したモンスター・アルバム。具材の多さゆえかオムニバス感が強く、いわゆる〈くぅちゃん〉系の象徴たる“恋のつぼみ”がある一方、ビヨンセ風のビートや明快なロック・チューンなどアレンジも多様。初めて作曲も担当した“ミルクティー”も収録。
〈Queendom〉ではないのが彼女らしいところ。緩急のある流れが良く、アラビックな“甘い罠”や優美なミディアム“秘密”(共にミックスはピーター・モクラン!)といったアーバン仕立ての美味が、ハードに飛ばす“FREAKY”や昂揚するジャズ・バラード“MORE”の効果も上げている。
ライヴ映えする楽曲を集めたという7作目にして、〈攻める倖田來未〉の明確な起点となったチャレンジングな名盤だろう。DigzのHIROによるエレクトロ“TABOO”を極みに、AK-69やファーギーとの共作が並び、マシュー・ジェラードやカミカオルら内外問わぬ作家の陣容もカラフル。
ベスト盤とオリジナル作を同梱した大作。ジャケはナチュラルながら音の刺激は前作を受け継ぐもので、サイボトロンな“UNIVERSE”やU-Key Zoneによるビートフルなスロウは絶品だ。主軸となるロック系では、ポップな“SUPERSTAR”や実妹misonoと激しく掛け合う“It's all Love!”(作曲は前山田健一)が光る。
ブイブイ攻める“POP DIVA”やクールな“Okay”など、ビート・オリエンテッドな前半にて自身の考える先端のポップ像を提示。一方、着うた時代のポップ観に対応したピュアなバラード“あなただけが”も守りながら攻めた新機軸で、全体のバランスが良い。B・ハワードと声を重ねるスロウ“Passing By”も必聴。
〈百花繚乱〉を謳った10作目では、和魂洋才の精神でさらにUSメインストリームに接近。Mr. Blistahとの妖しい絡みがいい“So Nice”、T・ペインを新たに迎えた“V.I.P.”、オマリオンとの劇的な“Slow”とコラボがいずれも抜群。ブーミンなロック“Boom Boom Boys”も聴きモノだ。
カムバック後初のオリジナル作。いわゆるバラードはシングル曲“恋しくて”のみとなり、ほぼ全編をダンス・トラックで固めてグイグイ前進するスピード感に、彼女のモードと時代のムードの幸福なシンクロが感じられる爽快な一枚だ。ショーン・ポールとのブーティー・ベース、OVDSとのミクスチャーもスカッとする!