エイミー・ワインハウス以降の世代感を備えたシンガー・ソングライターとして、ロックスあたりと並び称される格好でベルギーから登場したセラー・スー。処女作『Selah Sue』はパトリスファーホットといったドイツ人脈の尽力が光る逸品だったが、今回は制作陣を一新してロビン・ハンニバルルドウィグ・ゴランソンを中核に据え、スモーキーな歌声の豊かさを前とは違う角度から届けてくれている。ブラコン調の伸びやかなグルーヴが快い先行シングル“Alone”(ホイットニーが急逝した夜に作ったそう)をはじめ、持ち前のレゲエ趣味を埋め込んだトリップ・ホップ“Fear Nothing”などを振り幅の両端に、ロビンらしいアンビエント系でもゆったり浮遊。ブルージーなレトロ路線も流石の味わいで、今回も文句ナシ!