EPを挿んでの3作目。ソロ名義時代から室内楽的なベッドルーム・ポップを紡いできたミロシュだが、いざ〈家〉をテーマにした今作は、密室ムードよりも窓から見える朝靄を描写したような印象が勝る、開かれた聴き心地になったと言える。ポスト・クラシカル的な美しい弦楽と柔らかいピアノ、そして聖歌めいたコーラスがその景色を幽玄に表現。穏やかで親密、癒やしとダンサブル、ステイホーム中の感情をさまざまに彩ってくれる一枚だ。