映画「The Falling」のサントラ用に作られたとのことだが、実質的にはトレイシーの新作ミニ・アルバムと捉えて間違いない。夫君のベン・ワットも参加した、ピアノとアコースティック・ギターを基調とするバッキングが無垢で静謐な時を刻むなか、薄明のようにたゆたいながら、それでも凛とした表情を崩さないヴォーカルが全8曲に渡って披露されていく。神秘的とも言える深遠さを湛えた、美しい作品だ。