約4年ぶりとなるスタジオ録音の新作。ランディ・ジャクソンの導きで完成させた今作は、ブラック・パンクとでも言うべき内容だった前作のエッジをキープしつつもファンク路線に回帰したようだ。酩酊感のあるネジれたヴォーカルや時折挿まれる奇怪なシンセ音など、特に2曲のリード・シングルが並ぶ前半はPファンク色が強く、ディアンジェロとビラルとレニー・クラヴィッツとの間を行くようなオルタナティヴな感性と美意識が全編を貫く。ソウルクエリアンズっぽくミニマルなグルーヴでタイトに攻めていく“(Let It)Soak(n)”、〈黒い救世主〉を連想させる“She Stays With Me”、スライやパーラメントがロカビリーと出会ったような“...Puddin'”など、デイトン出身ファンカーの本気を感じる一枚だ。