テナー、トロンボーン、ピアノという組み合わせは珍しいが、聴いてみると意外なほどしっくり響いて来る。フリー系の即興ではなくて、むしろウエストコースト系といってもいい、大人の対話が聴ける演奏だ。欧州のミュージシャンらしく楽器コントロールは完璧だし、ソロの構成もアンサンブル部分とのバランスも見事にコントロールされている。通好みのハイレベルな演奏といってもいい。特に、楽器の演奏に興味のある方にはぴったりの一枚。フロント二本が時にユニゾン時にアンサンブルを奏でピアノがバッキングするというパターンで即興部分へ突入する。テナーの音色は明らかに後期スタン・ゲッツの影響が大きい。