ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」の代表的な演奏は、各々挙げたらきりがないが、このカツァリス盤もお仲間入りになることは間違いない。嘗てアナグロ盤でリリースされていた音源がついに復刻。同じ年代でノイマンとの演奏もあるが、デフォセとの白熱のライヴは手に汗を握る。演奏時間的には標準的といえるが、超絶技巧の連続に聴き手は興奮を隠せないはず。とりわけ第三楽章は圧巻の一言。その凄みは聴衆の拍手喝采で感じ取れる。また、今回のCDにはショパンやジャック・ルデュックの楽曲も収録されており、物議をかもしたコンクール・ライヴの全貌がここに明らかになる。
CYPRIEN KATSARIS 『シプリアン・カツァリス・アーカイヴスVol.14〜エリザベート王妃国際音楽コンクール・ライヴ1972』
Piano 21