鉄の風が吹きつける現代、伝説にならない超然たる映像たち!!
解散から13年。しかし、ナンバーガールが〈過去のバンド〉になったという感覚はない。もちろん、4人のメンバーはその後の活動でしっかりと足跡を残しているわけだが、ナンバーガールが次の世代のバンドたちに与えた影響を鑑みると、このバンドのスピリッツはいまなお生き続けていると言える。そんな彼らのライヴ映像が、昨年迎えたメジャー・デビュー15周年の流れを受けて、このたび次々とリリースされることになった。
2枚組となる「記録映像 LIVE 1999-2002」には未パッケージ化だった3つのライヴを収録。ひとつは、結果的にラスト・アルバムとなった『NUM-HEAVYMETALLIC』を引っ提げてのツアーから。このツアーでは、各地のリハスタでライヴリハのみならず次作に向けての曲作りも行い、さらに33か所すべての公演をライヴ・レコーディングを行っており、4人がステージ上で醸し出す緊迫感(これぞナンバーガール!)もMAX状態。当時はCS放送で生中継されたものだが、いわゆるTV的な画とは一線を画した生々しさと迫力を体験することができる。このほか、メジャー・デビュー間もない時期であったにもかかわらず堂々たるステージで観衆を呑み込んだ99年の〈RISING SUN ROCK FESTIVAL〉、最初で最後の出演となった〈フジロック〉の模様をそれぞれ全編収録。
さらに、過去のDVD作品をBlu-rayにて新装した4タイトルには、いまはなき東芝EMIの本社スタジオにファン30人を集めて行われたスタジオ・ライヴを16mmフィルムで撮らえた2001年の「騒やかな演奏」(前述のBLITZ公演も然りだが、現場だけでなく記録物としてどう見せるかというこだわりが半端ない)、福岡時代から辿るヒストリー映像とすべてのミュージック・ビデオ、解散直前に京大西部講堂で行われたステージを収めた「NUMBER GIRL 映像集」、そして、BOXセットでのみリリースされていた初のワンマン・ツアー最終公演「シブヤROCKTRANSFORMED状態」(99年)、札幌・PENNY LANEでのラスト・ライヴ「サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態」(2002年)が単体でラインナップ。
ディスコグラフィーを振り返れば、もっとも好セールスを記録したのは『NUM-HEAVYMETALLIC』……ということは、多くが気付きはじめた頃には、バンドはもう存在しなかったわけで(このあたりの流れはBOOWYに近い)、今回のリリースは、あのときの胸の高まりを昨日のことのように憶えている人たちはもちろん、きっと数多く存在する〈観たくても観られなかった人〉たちにとってうれしいニュース……というわけで皆さん、乾杯のご唱和を!