LOVE AND LATIN POP
[緊急ワイド]ラティーノ・ウルバーノの現在
アーバン・ミュージックと結び付いてどんどん広がるラテン・ポップの世界。暑い季節は過ぎてしまったとしても、この界隈の情熱烈風は年中無休なのだ!!
DISC GUIDE
まずはここから! 入手しやすいビッグ・タイトルを紹介!
トレンドを燃料に世界を飛び回り、まさにMrワールドワイドとしてシーンを横断してきた猛犬。故国キューバとアメリカが国交回復した年に久々のスペイン語作を出すのも意味深いが、ウィシン&モホンビとの“Baddest Girl In Town”をはじめ、リッキー・マーティンやドン・ミグゲロら新旧スターと弾ける楽しさは通常運転!
日本ではあまり現況が知られていないが、若手らとの交友を通じてレジェンドの季節を満喫中。この最新アルバムでも冒頭からフラメンコ風味をまぶした“Adios”でゴージャスに踊りまくり、包容力のあるミッドも艶な出来映え。ヨツエルを従えたハイパー・メレンゲな最新ヒット“La Mordidita”が激しくカッコ良い。
前作ではロイス王子を抜擢したメキシコのセレブな美熟女が、デビュー25周年の節目に発表した力作。内容は大ぶりのバラードからレゲトンまで多彩で、Drルークの秘蔵っ子となるラテン・ガール、ベッキーGをフックアップした“Como Tu No Hay Dos”に注目。かつてヒットを飛ばしたファット・ジョーとの再コンビも!
パナマ出身のトロピカル系シンガーで、モホンビあたりに通じるアイランド・ポップや哀愁ソングを男前な歌声で爽やかに聴かせてくれる。本作リリース後はデ・ラ・ゲットーとのドープな“Moribundo”や脳天気キャッチーな“Picky”などソカ~レゲトン寄りのトラックでヒットを飛ばしていて、早くも次が待ち遠しい!
ピットブル同伴でロイスの“Back It Up”に参加したり、ウィシンの大ヒット“Adrenalina”に貢献したり、ますますアイコンとしての役割を増している女帝。コリー・ルーニーを呼び戻したこの最新作もアーバン・フォーマットに沿ったEDM寄りの作りでラテン色は希薄ながら、彼女の奮闘が同胞の音楽に活況を呼び込むのは確かだ。
デュオの活動休止を受けてリリースした、10年ぶりのソロ作。ヤンデルの単独行動も睨みつつ、デュオでの『Lideres』からの延長となるダンサブルなアーバンEDM路線をさらに追求し、50セントやクリス・ブラウンら昔からの縁も再度ここで活かして親しみやすい内容にまとめている。バランスの取れた熱い好盤だ。
“La Pregunta”(2011年)のヒットで表舞台に姿を現し、ミックステープ発表などイマっぽい動きも見せるドミニカ系シンガー・ソングライター。曲調に応じてニーヨ風の甘い歌唱とザラリとしたラップを使い分ける魅力は、前年作をリパッケージした本作で存分に楽しめる。ギャル多めのポップなMV群も良し!
ウィシンとの縁も長く、マイルドな歌唱とハードに捲し立てるラップのコンビネーションを主とするデュオ。J・アルバレスやザイオン&レノックスも招き、“A Ti Te Encanta”がヒットした最新作をいまからチェックするなら、色男マルーマを新たに加えた“Imaginate”のリミックスなどが楽しめるこちらのリパッケージ盤を!
MySpace世代の24歳という若手にして、エル・カルテルから独立して放った本作でラテン・チャートNo.1を獲得した要注目のシンガー・ソングライター。ニェンゴ・フロウらを揃えた冒頭のリレーから本人が歌わない曲まで、新旧世代を並べた才能溢れるリーダー作の趣だ。ショーン・ポールとの“Passion Whine”が大ヒット!
2作連続でウィシンのソロ作に参加することとなったコスクリュエラは、キューバとプエルトリコの血を引くレゲトン・ラッパー。コワモテながらロマンティックなナンバーも織り交ぜ、ボソボソしたフロウやフックの歌い口にはリル・ウェインあたりの影響もあるのかも。“Solo Verte(Remix)”にウィシンが客演。
ネリー・ファータドの楽曲に招かれたこともあるヴォーカリスト、トニー・ダイス。この第3集では自身の愛称そのままにメロディアスな歌いっぷりを発揮し、たまらない哀感をアーバン・ビートに注入しまくり。ウィシンと揉めてWYを去ったこともあるが現在は和解し、新作中の“Dime Que Sucedio”で美声を響かせてくれる。
今年はニッキー・ジャム“El Perdon”への客演も華々しかったスペインの貴公子。本人の最新作は、アーバン~EDM路線をいち早く提示した傑作『Euphoria』(2010年)に続くバイリン作で、キャタラクスらのアゲ仕事にピットブルやフロウ・ライダーら祭り好きを招待している。情熱的な電化スタイルを貫いて世界的なヒットに。
『Sex And Love』と並べたかっただけですが……UKのあの人ではなく、こちらはチェンコ&マルディによるレゲトン・デュオ。テゴ・カルデロンとの“Zapatito Roto”など大半の楽曲に簡素な中毒性を仕込んだのは、ウィシンの新作でも腕を振るうヘイズだ。セクシーな“Fanatica Sensual”は再生数が2億回近いMVでもどうぞ。
サクソビートと近年のメレンゲなどに等しいノリを感じる人にはこちらも推薦。当初『Latinna』の名で作られていた本作はスペイン語圏での支持の厚さに応じた内容で、ピットブルやJ・バルヴィンと絡んだり、レゲトンを披露したり、アーバン・ラテンの観点からも楽しめる。ダディ・ヤンキーとの合体に続く今後の展開にも期待!