コラム

映画「ラン・オールナイト」 運命の力学に翻弄されるハードボイルドなオヤジたちの愛に胸打たれるブロマンスがソフト化

(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

 

ハードボイルド! 更に、激シブおやじの「一線を越える」ブロマンス!

 最強の男リーアム・ニーソンが息子のために追っ手から一晩逃げ切るお話。それって、『96時間』が “一晩”になって、助けるのが娘から息子に変わっただけではないのか? 設定はまさしくその通りだが、映画のトーンはまるで違う。何せ戦う相手がエド・ハリスなのだ。これでトーンがお分かりになったろう。ほとんどギャグと紙一重の『96時間』とは対照的にシリアスである。

 更に言えば、この映画。実はリーアム・ニーソンとエド・ハリスのブロマンス!映画なのだ。

ジャウマ・コレット=セラ ラン・オールナイト ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント(2015)

 アイリッシュマフィアのボス、エド・ハリスは、昔は伝説の殺し屋だったが今は酒浸りのリーアム・ニーソンが好きで、しがない仕事をあげて助けている。同世代の人間はほとんどいなくなってしまったが、「一線を越える時は一緒だ」という仲である。お互いに息子がいるが、ニーソンの息子は親を毛嫌いし絶縁状態で堅気な生活をしているが、ハリスの息子は、単純バカぼんぼんである。

 単純バカぼんぼんがやらかした失敗にたまたま巻き込まれたニーソンの息子がバカぼんぼんを正当防衛で撃ち殺してしまったことから悲劇が訪れる。ハリスもバカぼんぼんが馬鹿なのは百も承知だ。そして、ニーソン息子が悪くないことも分かっている。しかし、ニーソン息子を始末しなければならないこともまた決められた歯車なのだ。

 こうして、リーアム・ニーソンとエド・ハリスの愛し合うオヤジ同士の「一線を越えた」戦いが始まる。

 セリフで愛を語ることはない。しかし、背中が愛を語っている! 運命の力学に翻弄されるオヤジたちの愛に胸打たれることは必至! 腐女子ならずとも必見の傑作だ。

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