2015年を無事駆け抜けることができたMikiki。ここでは今年1年で人気の高かったレヴュー記事をジャンルごとに紹介します。おそらく世のヒット・ チャートとは大きく異なるランキングになっていますが、Mikikiの読者の方々が注目した2015年の作品はコレ! ということで興味深い並びなのでは? 今回はWORLDのトップ10!
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1WORLD
ジョアン・サビア 『Nossa Copacabana』 ビーチにいるような開放感、リオ出身SSWの極上MPB作
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2WORLD
沖仁、渡辺香津美 『エン・ビーボ! ~狂熱のライブ~』 ピアソラやチック・コリアらのナンバー披露した圧巻の共演ライヴ盤
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3WORLD
ロッキー・ダウニ 『Branches Of The Same Tree』 アフロ・ファンク風解釈のウェイラーズ曲カヴァー含む新作
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4WORLD
サクリ・クオリ 『Delone』 ソニック・ユースのスティーヴら迎えたロード・ムーヴィーのサントラのようにイマジナティヴな新作
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5WORLD
ルーカス・アルーダ 『Solar』 リオン・ウェアやアジムス人脈迎えたブラジリアン・メロウ・グルーヴ極まる2作目
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6WORLD
オウニー・シゴマ・バンド 『Nyanza』 ジェシー・ハケットとケニアの音楽家たちが現代的音響感覚と太古のグルーヴ結び付けた名盤
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7WORLD
ベンジャミン・クレメンタイン 『At Least For Now』 ホームレス生活中も歌い続けたパリのSSWによる初作
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8WORLD
マリナ・ファヘス 『Dibujo De Rayo』 浮世離れした夢想サウンドが可愛らしくも刺激的な〈ネクスト・フアナ・モリーナ〉の新作
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9WORLD
ファビアーノ・ド・ナシメント 『Danca Dos Tempos』 名門ナウ・アゲイン発のブラジリアン・ソウル作
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10WORLD
E・T・メンサー&ザ・テンポス 『King Of Highlife Anthology』 モダン・ハイライフ完成させた50~60s音源まとめた編集盤
ワールド・ミュージックは日本語の情報が少ないジャンルだけに、手前味噌ながらMikikiに掲載するbounce/intoxicateのレヴューは貴重ではないかと! 1位のジョアン・サビアは、メロウで気持ち良い曲がひたすら並ぶMPB作品。スフィアン・スティーヴンス『Carrie & Lowell』が〈陰〉だとすれば、こちらは〈陽〉の傑作でしょう。信頼を裏切らないリイシュー・レーベル、ナウ・アゲインから新作としてリリースされた9位のファビアーノ・ド・ナシメントも極上のブラジリアン・ソウル作。〈ネクスト・フアナ・モリーナ〉との誉れ高い、8位のマリナ・ファヘスも新しいスター誕生を予感させました。
相変わらずユニークな活況を見せているのがアフリカ。デーモン・アルバーンも惚れ込んだケニア&UK混成のオウニー・シゴマ・バンド新作は、ニャティティの音色とエレクトリックなグルーヴが中毒性たっぷり! ハイライフの大家E・T・メンサーの決定版アンソロジーは、ヴァンパイア・ウィークエンドのファンにも発見があるはずです。選外ではマリのソンゴイ・ブルースやシリアのオマール・スレイマンなど、〈ワールド〉の枠を超えて国際的にブレイクした面々の活躍が目立った印象。英米/日本の音楽シーンとワールド・ミュージックの交流は今後も注目したいところです。