インタビュー

ギタリスト・木村大、榊原大ら迎え自身のルーツにある多彩な名曲群と対峙&オリジナルも充実した意欲作『ECHO』を語る

ギタリスト・木村大、榊原大ら迎え自身のルーツにある多彩な名曲群と対峙&オリジナルも充実した意欲作『ECHO』を語る

ECHO…それは楽器による対話、そしてそこから生まれる余韻

 クラシック・ギターの王道を突き詰める活動の一方で、アコースティック・ギターというジャンルにおけるクロスオーバーな活動も積極的に展開する、ギタリスト・木村大。彼の新作『ECHO』は自らの音楽的ルーツを辿り、新たな切り口で名曲群と再び対峙した意欲作だ。

 「クラシックというジャンルの専門性を極めること、多種多様な他のジャンルと交流すること、どちらが欠けても音楽シーンにとってマイナスだと思います。 クラシックの伝統性や芸術性を追求するだけではなく、クラシック・ギターという楽器が広く世間に認識されるための土壌を育てることも大切なんです。僕はこの2つを両輪として活動していますが、これらが良い形で融合する時がいずれ自分自身のキャリアの中でやってくるのだと思います」

木村大 ECHO キング(2016)

※試聴はこちら

 ニュー・アルバムの中核を成すのは、彼の音楽ルーツである様々なジャンルの名曲たち。それらの印象を際立たせているのが、彼による新たなアレンジだ。

 「本作のテーマの一つは “楽曲を豊かに拡げてくれる楽器と組む” こと。特にピアノを入れたのが大きな変化で、榊原大さんのピアノがその課題をクリアしてくれた大きな存在です。お互いにサポートにまわり過ぎないよう対等なアレンジにしました。アルバム中の4曲は榊原さんのピアノと、メロディを際立たせるグルーヴを生み出す仙道さおりさんのパーカッション、エレキ/ウッド/アルコ全てをこなす森田晃平くんのベース、このカルテットによるバンド演奏で大満足の仕上がりです。アンドリュー・ヨークの《三千院》では、ギターとピアノのデュオという編成に加えて、和風の色彩を表すためにアコースティックのジャンルとしては異例の、プログラムされたシンセも使いました」

 その音楽的影響や背景をさらに進化、昇華させたオリジナル新曲では、彼のソロ・ギターもたっぷりと聴くことができる。アルバムのトップとラストにそのオリジナル曲を配した曲順構成も印象的である。

 「1曲目の《インナー・サウンドスケープ》に込めたのは、音楽が日常の喜怒哀楽と共に在ってほしいという僕の願い。そこから自由な音楽の旅が始まり、ラストの《エターナル・フロウ》でこれまでの活動を振り返る。そして今、自分が奏でたい音楽が答えとして見えてくる、というストーリーなんです。最終的にはテクニックを超えた次元で、奏でる音そのものが自分自身となる、そういう形で成熟したいですね。気持ちをそこまで突き詰めることが出来たのは、今回のレコーディングにおける大きな収穫でした」

木村大による〈ニュー・シネマ・パラダイス〉演奏動画

 


LIVE INFORMATION

Dai Kimura Guitar live tour "ECHO"
○5/29(日)14:00開演 会場:日経ホール(東京)
○6/24(金)19:00開演 会場:名古屋ボトムライン(愛知) ほか
www.kimuradai.com/

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