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浅田真央、震災復興への願い込めたセルフ・プロデュースのエキシビションから誕生したリベラの歌う新たな〈ジュピター〉

浅田真央、震災復興への願い込めたセルフ・プロデュースのエキシビションから誕生したリベラの歌う新たな〈ジュピター〉

浅田真央のプロデュースにより、リベラに新たな《ジュピター》が誕生!

 このメロディよりほかに、あっただろうか? 今年1月9日、盛岡で開催された『NHK杯フィギュア スペシャルエキシビション』で、リベラの歌う《ジュピター》に合わせて氷上を舞う浅田真央の姿を観ながら思った。未曾有の大震災が日本を襲った2011年、浅田はエキシビションの使用曲に英国のボーイ・ソプラノ・ユニット、リベラの《誓い~ジュピター》を選び、被災地への祈りと復興への願いを込めた演技を披露した。それから5年、休養中に被災地をめぐり、震災への想いを強くした浅田は、演出から振付・衣装・歌詞に至るまですべてをセルフ・プロデュースし、新たな《ジュピター》を作り上げた。それが冒頭で触れたエキシビション《ジュピター~未来への光~》へと結実したのである。

LIBERA 浅田真央プロデュース ジュピター~未来への光~ ウィステリアプロジェクト(2016)

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 日本でもおなじみの《ジュピター》だが、もともとはホルストが作曲した管弦楽組曲『惑星』の第4曲に登場する旋律である。そこに、第一次世界大戦当時、英国の外交官だったセシル・スプリング=ライスが書いた詩を乗せ、ホルスト自身の手により編曲された歌が「我は汝に誓う、我が祖国よ(I Vow to Thee, My Country)」であり、英国では愛国歌として広く親しまれている。リベラが歌う《ジュピター》の歌詞は、このスプリング=ライスによるもので、大戦による戦没者への祈りと傷ついた祖国の復活を願う内容が、東日本大震災の被災地への想いと重なる。さらに今回の新《ジュピター》には、浅田自身の手で書かれた日本語の歌詞が最後に加えられており、シンプルながら力強いメッセージを放っている。

 暗闇に差す一筋の光、やがてそれが束になって、光降り注ぐ輝きの世界へと我々を導いてゆく――ソロ・ヴァイオリンをフィーチャーし、ケルト的なテイストも感じさせるスピリチュアルな静けさをたたえた音楽が、孤独から希望へのドラマを描き出す。そして少年たちの歌声は、歌詞にある“未来への光”が“子ども”という存在そのものであることを伝えている。浅田と《ジュピター》とリベラ、それはまさに必然の出会いだったに違いない。

 このたび、《ジュピター~未来への光~》をはじめ、浅田が2011年に使用した《誓い~ジュピター》を新アレンジと新メンバーの歌唱で録り直した《誓い~ジュピター 2016》、リベラのヒット曲の数々を手がけた村松崇継が作曲した《ホーム》を収録したシングルがリリースされる。聖なる歌声とともに、5年目の想いを新たにしたい。

リベラの2015年作『天使のくれた奇跡』紹介映像
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