20世紀後半に「帝王」と謳われたカラヤンがDGに残した膨大な録音から50タイトルがUHQCD化された。通常のCD機で再生可能な高品位CDで、従来盤よりも繊細な再生音が楽しめる。LP時代を体験した筆者にとっては音のきめ細やかな触感が嬉しく、オリジナルのジャケット・デザインの復活も懐かしい。この《四季》でもカラヤンの擬古典的な解釈の巧妙さ、ベルリン・フィルの瑞々しい合奏、豊かな響きを捉えたムーディーな録音、そしてオルガー・マチスによるキッチュなデザインなど、1970年代にこのLPに初めて接した時の印象が如実に蘇る。加えてライナーノーツの服部幸三先生の楽曲解説もLPと同じなのだ!