今や、Warpの主軸と言って過言ではないClarkの新作。今作は、ドラマ『The Last Panthers』のために書き下ろした楽曲を中心に構成された作品である。しかし、普通のサウンドトラックとは違い一曲一曲が孤立せず、アルバムを通してストーリー性を感じさせる。前作『Clark』の時に取り入れていたフィールド・レコーディングを活用し、ドラムを可能なまでに削ぎ落とした事と、どこか冷たい洞窟の中にでも迷い込んだかのような、重くも美しいリバーブが作品全体に取り込まれている事で、よりアンビエントな作品へと仕上がっている。自然音を精密に分析し、人工的に拡張させた事で人間の闇を垣間見ようとするようなスリリングさを感じさせる作品。