MINOR VICTORIES
轟音から浮かび上がる美しい女声――この〈新人グループ〉の正体は!?
マイナー・ヴィクトリーズだなんて、皮肉っぽい名前を掲げているけど、これはUKロック・シーンが生んだ正真正銘のスーパー・バンド。構成員はスロウダイヴのレイチェル・ゴスウェル、モグワイのスチュアート・ブレイスウェイト、そしてエディターズのジャスティン・ロッキーと映像作家のジェイムズ・ロッキー兄弟だ。昨年夏の結成以来、小出しに情報を流してきた彼らの全貌が、このたびのファースト・アルバム『Minor Victories』でやっと明かされる!
サウンドは各々のメイン・バンドをイイトコ取りしたような感じで、耽美なヴォーカルに荒々しいノイズ・ギターを被せ、タテノリのリズムで煽っていくというもの。全体のトーンはとにかく暗く、レイチェルが参加したエディターズの最新作『In Dream』(2015年)と並べて聴くと、より作品の世界観を理解できるのではないだろうか。さらに、一部の楽曲ではマーク・コズレック(レッド・ハウス・ペインターズ、サン・キル・ムーン)やジェイムズ・グラハム(トワイライト・サッド)も駆け付けていて、もう、スキモノにとっては盆と正月が一緒に来てしまったくらいの出来映えに。震えが止まらない。