3年半ぶりの通算10作目は、その間にサントラ作を挿んだ影響も大きいのか、電子音を採り入れた緻密な音作りが耳を惹く。繊細かつ雄大な音風景にどっぷり浸りたくなる心地良さ。だが、後半の“Midnight Flit”~“Pat Stains”ではポスト・ロックの覇者たる貫禄を突きつけるようなヘヴィーさも遺憾なく発揮。徐々にドラマ性を高めていく曲展開は壮絶で、特に前者では音の渦に飲まれる恍惚感に溺れてしまう。