愛くるしさとポップな親近感、高い志とキュートな歌声――リスナーに心の栄養と元気を処方する、可愛すぎる現役看護師がメジャー・デビュー!

 彼女が笑うと、ただ嬉しくなる――そんな照れ臭いことを言わせてしまうぐらい愛らしいルックスとキャラクターを持った彼女の名前は瀬川あやか。このたびメジャー・デビューを飾った彼女は、現役の看護師という異色の肩書きも持つシンガー・ソングライターだ。

 「5歳からピアノを習っていて、小さいころから歌手になりたいという夢を抱いてたんですけど、同時に、看護助士を当時やっていた母の影響で看護師になりたいという夢もあって、高校を卒業してから看護師をめざすために上京したんです。その時はもう〈看護師になるんだ〉って心の整理をつけていたんですけど、大きな実習があって、寝たきりに近い患者さんに歌を歌ってあげた時、患者さんの身体が動いて。それを見て、誰かを思いやって、誰かのためになることをするという点では音楽と医療に違いはないんじゃないかなって思ったんですね。〈歌が好き〉っていうのが大前提にあって始めたことなんですけど、私の歌で誰かが元気になってほしいなっていうのが、いちばんの原動力で」。

 医療の現場では、リクエストに応える形で患者さんの好きな曲や想い出の曲を歌っていたという彼女だが、やがて〈自分の曲〉を作って、もっとたくさんの人たちに届けたいという思い――歌手への夢をふたたび膨らませるようになった。

 「それまで詞や曲を書いたことがまったくなかったので、届けたい気持ちをバーッと書いて、ああでもないこうでもないって試行錯誤しながら作っていました。そうやって迷っていた時期に、不安だ不安だって言ってても何も状況は変わらないし、自分からやめるって言って諦めたり、自分で限界を決めるのももったいない。だったら不安な気持ちとかも全部呑み込んで自分の力にして、気が済むまで夢を追いかけようよっていう気持ちを詰め込んでいこう!――そういう思い、迷ったからこそから生まれた曲が“夢日和”なんです」。

瀬川あやか 夢日和 ポニーキャニオン(2016)

 〈誰かが望むような人になりたいと願う毎日に 自分らしさを見つける意味を 教えてくれた〉――そうハツラツと歌うデビュー・シングル“夢日和”は、アレンジャーの鈴木Daichi秀行が玄人ワザを光らせながらも、きっと医療の現場では子どもからお年寄りにまで愛されているのであろう彼女自身のキャラクターを浮かび上がらせるポップソング。がむしゃらに元気を伝えるというよりは、聴いてくれる相手にちゃんと向き合いながら、思いやりながら、人懐っこく。

 「曲は対〈人〉というところから生まれてくるものが多いですね。例えば、自分の見た景色からイメージして作った曲があったとしても、この景色きれいだな、誰かに見せたいな、って結局〈人〉に繋がっていくことになるので、自分にとってそこは切り離せないと思いますし、そこは看護師とシンガー・ソングライターを両立させている自分にしか歌えない歌に繋がっていくと思ってるんです」。

 当面は〈二刀流〉で活動を続けていくという彼女。シンガーとしては普通に武道館でのライヴも夢見る一方で、施設や老人ホームに出向いて自身の歌を届けたいという目標も。

 「二刀流でやるということは、隙ができがちだし、誰の目から見ても完璧に見せることってなかなか難しいことだと思うんですけど、もし、どちらかでやらかしてしまった時に〈2つのことをやってるから〉って言われるのは悲しい。だから全力でやっていかなきゃいけないし、説得力のある歌を書かなきゃいけないなって思うんです。でも……そうですね、なんかちんちくりんなコが歌ってるけど、見てるとなんかクスッとしちゃうな、このコががんばってるんだから自分もがんばろうみたいな、そのぐらいの接し方で親しんでもらえたら嬉しいかなって思います」。