緑黄色社会が主催を務めた対バンイベント〈緑黄色大夜祭2024〉が、2024年6月15日と16日に神奈川・横浜アリーナにて行われた。2日間で24,000人を動員した熱狂のイベント、その全貌を捉えたオフィシャルレポートが到着した。 *Mikiki編集部
緑黄色社会が〈いま最も共演したい〉ゲストを招えて
緑黄色社会主催のライブイベント〈緑黄色大夜祭2024〉が6月15日・16日、神奈川・横浜アリーナにて開催された。
〈いま自分たちが最も共演したい〉ゲストを招き、緑黄色社会がインディーズ時代から開催してきた自主企画対バンイベント〈緑黄色夜祭〉。5月には東名阪ツアー形式で〈緑黄色夜祭 vol.12〉が実施されたが、今回は横浜アリーナを舞台に〈大夜祭〉として開催、2日間で各12,000人、計24,000人を動員した。いきものがかり、ゲスの極み乙女、クリープハイプ、キタニタツヤ、Saucy Dog、Da-iCE、さらに緑黄色社会メンバーとラジオ出演を通じて交流のあるスペシャルゲスト、ぺこぱ、トレンディエンジェルが集結。極上の音楽とオーディエンスの歓喜が響き合う、至上の祝祭空間が繰り広げられた。
〈大夜祭〉と銘打った公演タイトルの通り、横アリの場内はすっかりお祭り仕様。至るところに提灯と紅白幕があしらわれ、櫓や縁日が設けられたほか、メンバー監修によるキッチンカーが出動。唯一無二の〈祭り感〉をいやが上にも盛り上げている。
初日ゲストはクリープハイプ、ゲスの極み乙女、いきものがかり
〈緑黄色大夜祭〉2日間のトップバッターはクリープハイプ。尾崎世界観(ボーカル、ギター)のアカペラで幕を開けた“ナイトオンザプラネット”の赤裸々な歌詞が、横浜アリーナの大空間をゆったりじっくりと密接な共犯感で包んでいく。さらに“キケンナアソビ”を披露したところで、「呼んでいただいて嬉しく思ってます。クリープハイプなりに祭りを盛り上げたいと思います」と一転、“しょうもな”で沸点越えの疾走感を繰り出し、長谷川カオナシ(ベース)がボーカルをとる“火まつり”でミステリアスなロックンロールを響かせる。“ラブホテル”で気迫のロングトーンを響かせ、熱い拍手を巻き起こした尾崎は、「子供の頃から緑の野菜が苦手で、野菜をよけるために箸の使い方を覚えました」というMCで客席を沸かせてみせる。名バラード“二十九、三十”で場内に広がった感激を、最後は“栞”の躍動感へと鮮やかに塗り替えてみせた。
ステージ転換中には、1日目のスペシャルゲスト、ぺこぱが登場。かつて緑黄色社会・穴見真吾もYouTubeで参考にしたという松陰寺大勇によるローラーシューズの〈すべり芸〉も披露しつつ、「思い出作りたいんで、声出してもらっていいですか!」というシュウペイの呼びかけに応えて、満場の客席がコール&レスポンスに沸き返っていく。
続いてのアクトはゲスの極み乙女。川谷絵音(ボーカル、ギター)&ちゃんMARI(キーボード)のピアノ連弾から“ロマンスがありあまる”へ流れ込むと、休日課長(ベース)〜ちゃんMARI〜ほな・いこか(ドラムス)の美麗ソロプレイを挟んで“パラレルスペック”、さらに“猟奇的なキスを私にして”“ラスカ”と次々に楽曲を畳み掛けて、アリーナをクラップの渦に巻き込んでみせる。卓越したバンドアンサンブルとメロディ&コーラスをスリリングなバランスで成立させる楽曲のすべてが、ポップな高揚感とともに鳴りわたっていく。ギターを置いて「もっと踊れますか?」とハンドマイクスタイルで語りかける川谷のコールに続けて、“サイデンティティ”からさらに加速。「今日はリョクシャカの次に俺らが若いんだよ」とMCで話す川谷に「結成が同じ2012年だから、同期ってこと?」と応じる休日課長。最後の“キラーボール”では一面のクラップとダンスで客席を激しく揺さぶり、鮮烈にステージを締め括ってみせた。
本日の出演者の〈『祭りの思い出』アンケート〉の結果を紹介するぺこぱのトークに続いては、いきものがかりが登場。新解釈コラボアルバム『いきものがかりmeets』への参加をはじめ、緑黄色社会のメンバーも日頃から強い思い入れを表明していたいきものがかり。冒頭から“ブルーバード”“気まぐれロマンティック”“じょいふる”とポップアンセムを惜しげもなく畳み掛け、ワンマンライブばりの熱量でアリーナを包んでみせる。“気まぐれロマンティック”では吉岡聖恵(ボーカル)が舞台袖の櫓に登り、和太鼓を叩きまくる場面も。「すごい熱気だよ!」と吉岡が笑顔とともに感慨を語れば、「めっちゃやりやすい! すごいウェルカム! 緑黄色社会が学生時代に聴いてたグループです(笑)」と水野良樹(ギター、ピアノ)も応える。吉岡・水野の2人だけで“SAKURA”を歌い上げた後、「次の曲は、もう1人シンガーを呼ぼうと思います!」という水野の言葉とともに、緑黄色社会・長屋晴子がオンステージ。『いきものがかりmeets』でもカバーしていた“月とあたしと冷蔵庫”で極上のハーモニーを披露し、熱くハグを交わしてみせる吉岡&長屋。ラストの“ありがとう”“コイスルオトメ”まで、歌とメロディの奇跡のようなひとときだった。