インタビュー

徹底的にシリアスで、彫刻のようにクール―サヴェージズがHOSTESS CLUB ALL-NIGHTERと日本への想いを語る

HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER特集:第4回

徹底的にシリアスで、彫刻のようにクール―サヴェージズがHOSTESS CLUB ALL-NIGHTERと日本への想いを語る

深夜の〈サマソニ〉を彩るインディー・ロックの祭典として、8月20日(土)に千葉・幕張メッセで開催される〈HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER〉(以下〈HCAN〉)。Mikikiでも総力特集で大プッシュしているが、仕事を離れて一人の音楽ファンとしても、こんなに楽しみなイヴェントはない。昨年は、入場規制がかかったトム・ヨークを筆頭に、どの時間帯にどのステージへ足を運んでも刺激的なライヴを目撃することができた。朝まで夜通しでライヴを観て興奮できるなんて、こんなに幸せなこともない。今年もダイナソーJrアニマル・コレクティヴなど強力すぎるアクトが目白押しのなかで、個人的にもっとも楽しみにしているのはサヴェージズだ。

徹底的にシリアスで、彫刻のようにクール。ポスト・パンクの先鋭的でヒリヒリした表現を継承した2013年のデビュー作『Silence Yourself』の衝撃も忘れ難いが、同作のリリース後に行われた来日公演がこれまた凄まじかった。カリスマ・フロントウーマンのジェニー・べスは怒号を放つように歌い、鋼の如く重厚なバンド・アンサンブルがそれを支える。ノイジーで鋭利なギター、メロディアスで地を這うようなベース、クラブ・ミュージックの要素も消化したミニマルでタイトなドラム――ストイックで潔癖な佇まいに説得力をもたらす、高度な演奏スキルを備えているのも特筆すべき点だろう。あまりにも隙が見当たらないパフォーマンスに、呆然としてしまったのを覚えている。

そして今回は、よりサウンドの幅を広げた2016年の最新アルバム『Adore Life』を引っ提げての再来日ということで、ますます磨きの掛かったライヴになることは間違いない。はっきり断言できるのは、アメリカの公共ラジオ局、NPRがアップしているライヴ動画が抜群にカッコイイから。先日公開した〈HCAN〉の対談記事で、アジカン後藤正文が「ロックにもダンス・ミュージックとしての機能はある」と語っていたが、インダストリアルとハードコアが結び付いたようなサヴェージズの音楽をそういう感覚で楽しむのだってアリだろう。

ここからは、関西に住んでいた経験もあるというフェイ・ミルトン(ドラムス)が、現在の心境やライヴの意気込みなどを語ったオフィシャル・インタヴューをお届けする。文中でも触れられている通り、8月18日(木)にはディアハンターと共演する大阪公演も予定されているので、近隣にお住まいの方はぜひ足を運んでみてほしい。

★第1回〈RAINBOW STAGE〉出演者紹介はこちら
★第2回〈SONIC STAGE〉出演者紹介はこちら
★第3回 後藤正文 × 古溪一道の対談はこちら
★〈HCAN〉タイムテーブルはこちら

SAVAGES Adore Life Matador/HOSTESS(2016)

 

――来日も迫っていますね。 

「そうなの。メンバー全員、すごく楽しみにしてるのよ。最後の来日は2014年だったと思う。やっとまた日本に行けて嬉しいわ」

――〈HCAN〉の出演者についてはいかがでしょう?

「素晴らしいラインナップだと思う。特にアニマル・コレクティヴは大好き。常に新しい音楽をプレイしているし、昔からずっと彼らのファンなのよ。マシュー・ハーバートも最高よね。彼の創造力って本当にすごいと思う。生で体験できるなんて、すごくクールだわ」

――8月18日(木)には、ディアハンターと大阪で2マン・ライヴも控えています。彼らとは親交はあるのでしょうか?

「知り合いではないの。でも、バンドは大好きよ。確かどこかのフェスで1回会ったことはあると思うけど、今回はもっと話せるといいな」

――近年は出演する側が多いと思いますが、オーディエンスとして初めて参加したのはどのフェスですか?

「確か、18か19歳のときだったと思う……待って、20歳かも。もう少し後だったかもしれない。〈The Big Chill〉っていうフェスだったんだけど、快晴で、誰かDJのパフォーマンスを観たんだけど、名前は何だったっけ……。ソウル・ミュージックで、太陽の下でダンスしていたことだけは覚えてる。ライヴって普通は夜じゃない? だから、日中に音楽を楽しむっていうのがすごく新鮮だったのを覚えているわ。すごく楽しかったし、その週末を通じて友達がたくさんできるのも良かった」

――では、一番記憶に残っているフェスは何ですか?

ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズが出演した〈コーチェラ〉ね。あのショウは最高だった。バンドが素晴らしいのはもちろんだし、ステージで子供の聖歌隊が歌っていたの。〈コーチェラ〉という壮大なフェスであんなショウが観れたことは、しっかりと記憶に焼き付いているわ」

ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズの92年作『Henry's Dream』収録曲“I Had A Dream, Joe”。この『Henry's Dream』を含む初期作が、今年9月にCD+DVD仕様でリイシューされる
 

――フェスに行くときに楽しむ秘訣があったら教えてください。

「そうねぇ……。まず、あるバンドを本当に、心から観たいと思うなら、一人で観に行くこと。友人たちの都合に合わせたりせず、時間通りに行って最後まで観ることね。誰かに合わせてたら、遅れたり、早く出ないといけなかったり、連絡を取り合わないといけなかったり、心からショウを楽しめないでしょ? でも同時に、自分は知らないけど友達が好きなバンドを観に行くっていうのもフェスの楽しみ方の一つ。自分が好きな音楽を新たに発見するのも楽しいわよね」

――新作『Adore Life』をリリースしてからのライヴは、以前よりもさらに力強くなっているように思います。ライヴに対する心情の変化やセットの変更はありましたか?

「セカンド・アルバムが持つ雰囲気が、前作よりも感情的だからそうなっているんだと思う。いろんなフィーリングが詰まっていているから、ショウもよりエモーショナルになっているんじゃないかしら」

――今回の来日ではどのようなステージを期待できそうですか?

「7か月くらいツアーで演奏しているから、ショウがだんだん固まってきたところなの。かなり長期間演奏し続けているから、クォリティーもすごく良くなってる。みんなもそれを感じ取ってくれて、私たちと一体になってくれたら嬉しいわ。ステージで自分たちが何をしているのか、私たち自身もやっと理解できるようになったところなの(笑)」

――ライヴで演奏するのが気に入っている曲があれば教えてください。

「“'T.I.W.Y.G.”ね。この曲をプレイするのって、まるで高いビルから飛び降りるような感じなの。一度スタートしたら、終わるまで止まれない。本当にラウドで、ステージ上で何が起こっているのかわからなくなるのよね(笑)。演奏していてすごく楽しい曲だわ。みんなダンスしているし、オーディエンスも楽しんでいるのがわかるの」

――ところで以前、京都に住んでいたそうですね。

「京都じゃなくて、兵庫の山崎町に住んでいたの。すっごく田舎だから、誰も知らないわよね(笑)。6か月くらい住んでいたんだけど、人生を変えるような経験だったわ。18歳のときで、すごく楽しかった。」

――兵庫を選んだ理由は?

「渋谷の交差点もそうだし、ハローキティもそうだし、日本に魅了されていたから、日本に住みたいと思うようになったの。でも、兵庫は私のチョイスじゃなかったのよね(笑)。仕事の派遣先がそこだったのよ。でも、関西を堪能できて良かった。アメ村とかで遊んでたわ(笑)」

――以前にも〈フジロック〉や単独公演で何度か日本に来ていますが、来ると必ずすること、または必ず食べるものなどはありますか?

「ローソンに行ってお菓子を買うのが好き(笑)。前に住んでいたときも、田舎だったから周りに何もなくて、ローソンが一軒あるだけだったの。当時もローソンでいっぱい食べ物を買ってたわ。それはいまも変わらない」

――お気に入りの場所はありますか?

「高野山と奈良! 高野山は美しいし、奈良は鹿たちがカワイイから(笑)」

――来日を楽しみにしている日本のファンの皆さんに一言お願いします。

「ハロー! 私たち、日本のみんなが本当に大好きよ。会えるのが待ちきれないわ。ぜひライヴに足を運んで、私たちにみんなの顔を見せて! あと、それまで〈ゲンキ〉でいてね(笑)」

 

HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER
日時:2016年8月20日(土)
〈SUMMER SONIC 2016 Midnight Sonic〉
会場:幕張メッセ
出演: ダイナソーJr/アニマル・コレクティヴ/ディアハンター/マシュー・ハーバート/テンプルズ/サヴェージズ/アウスゲイル/ジョン・グラント
開場/開演:22:00/23:15
料金(税込)/8,500円
※〈サマソニ〉東京公演の各入場券をお持ちの方は入場可能。
※写真付IDチェックあり
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Hostess Club Osaka Presents
Deerhunter / Savages

2016年8月18日(木)大阪・なんばHatch
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Hostess Club Presents
Dinosaur Jr.

2016年8月22日(月) 東京・恵比寿LIQUIDROOM ※SOLD OUT!
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