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HOPELESS
93年設立のホープレスは、90年代末にマスタード・プラグで当て、当時のパンク・ブームの最中に頭角を現したLAのレーベル。やがて時代の移ろいと共にアヴェンジド・セヴンフォールドらメタルコア勢が幅を効かせるようになりますが、ここ数年はだいぶ方向性が変わってきた印象です。分岐点はイエローカードを獲得した2011年でしょうか。その後、オール・タイム・ロウを呼び戻し、ニュー・ファウンド・グローリーやベイサイドが新たに仲間入り。今年に入ってサム41と契約を交わしたことも、キッズの間では嬉しいニュースとして広まりました。
もちろん、そうしたキャリア組だけじゃなく、新人の育成にも尽力しています。その筆頭がウェールズ生まれのネック・ディープ。〈イージーコア以降〉を感じさせる力強くてファストな音が大ウケし、UKを中心に彼らのフォロワーが急増。パンク界でも〈ブリティッシュ・インヴェイジョン〉的な動きが見られるように。とりわけ、今年の初めに同レーベルからアルバム・デビューを飾ったイースト・サセックス出身のロームは、ネクスト・ブレイカーとして名前を記憶しておいてください。ほかにも、5SOSのツアー・サポートを務めて波に乗るシドニーのウィズ・コンフィデンス、AP誌恒例のニューカマー特集でも大きく取り上げられたボストン発のソーモスなど、注目株が多数在籍。若手の底上げがあってこそ、シーンが活性化していくというもの。つまり、ホープレスの青田買い的な動きが、現在のポップ・パンク人気を支える一因になっているのです。 *山西絵美