ニューヨークのジャズシーンの中心勢力となりつつある80年代生まれの音楽家達のなかでも、指折りのスタイリストといえる注目のトランペット奏者アンブロース・アキンムサリ。ほぼ3年ぶりとなったブルーノートからの2作目では、彼の向かう方向性がより鮮明となり、ノラ・ジョーンズ以降に派生したともいえるジャズ~新世代フォーク~インディー・ロックの流れを汲んだ作品となった。ベッカ・スティーヴンスやテオ・ブレックマンなどの個性派シンガーをフィーチャーし、彼のクィンテットに加え、ストリングスなども配置し、描き出される詩的なまでの音世界に漂う新感覚なメロウネスは実に味わい深い。