インタビュー

POP改めGANG PARADEのパレードは続く―崖っぷちのなか作り上げた4人編成での最初で最後のアルバム『Barely Last』を語る

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崖っぷちで泣いて笑う『Barely Last』

 そうして完成したアルバム『Barely Last』ではあるが、激動の余波もあって実はインタヴュー時点で完成音源はなかったため、ここではアルバムの内容を少し補足しておきたい。収録されているのは7つの新曲と“Happy Lucky Kirakira Lucky”以降のシングル3曲から成る全10曲。既発曲もキャン・マイカを含む新しいパート分けで新録されているので、ファンには変化を如実に感じられる部分だろうし、マイカの歌声の妙を味わえるポイントでもあるだろう。

 一方の新曲は、幕開けを飾るドリーミーな“sugar”から不思議な昂揚感に溢れた出色の仕上がり。本文にもある“crazy night”はアダルトなカクテル系エレポップで、ヤママチ作詞の“テヲノバス”は幻想的で儚いテクノ・ポップ。また、ユア詞のロック・チューン“don't forget me not”や、カミヤ作詞のメロコア“ISSIN ITTAI”は個の心情やグループの状況に照らして楽しめる熱さがある。その意味で、〈ちくしょう〉〈羨ましい〉などの言葉が刻まれた表題曲は感情移入必至だろう。そしてイヌカイマアヤの置き土産が最高に脳天気な“this is love song”というのも……ともかく、作編曲をSCRAMBLESの面々が分け合った全体の印象は極めてカラフルだ。

 もちろん、そこに過剰な重さを感じる必要はない。ジャケで崖の上に立った4人を見て、舞い上がるのか、飛び降りるのか?とシリアスに捉えることもできるが、なぜか「タイタニック」のポーズを取るシュールな姿はユーモラスなものにも思えてくる。つまり、角度を変えればすこぶるポジティヴに響く、そんなアルバムだということもできると思う。 *出嶌孝次

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