パッションがギラっと躍動する意気軒昂な13人の現在進行形を賑やかに記録したトリプルA面シングルが完成……これをギャンパレと呼ばずなんと言う!?

 今年1月に日比谷公園大音楽堂で開催したワンマン〈天晴れ!真冬の大ギャンパレ音楽祭 in 日比谷野音〉を見事に成功させ、グループの歩みにまたひとつ大きな節目を刻んだGANG PARADE。そんな2024年最初のCDシングルとなったのがトリプルA面仕様の『パショギラ/躍動/ROCKを止めるな!!』です。今回はKEYTALK、KOTONOHOUSE、THEイナズマ戦隊の3組が各々テイストの違う3曲を手掛け、カラフルな13人の魅力にまた賑やかな新色を持ち込んだ強力な一枚に仕上がってきました。

GANG PARADE 『パショギラ/躍動/ROCKを止めるな!!』 ワーナー(2024)

 

また同じ方向を見て

――シングルの初回盤Blu-rayに映像も収録されますが、改めて野音のステージに立った感慨はどんなものでしたか。

キラ・メイ「グループとしては過去の体制で一度やった場所(2019年〈CHALLENGE the LIMIT TOUR at 日比谷野外大音楽堂〉)なのもあって緊張はあったんですけど、そこを考えすぎると絶対この13人の野音が良いものにならないから、そういうことは忘れて、その日をとにかく良くすることだけ考えてライヴに臨みました。冬なのもあって最初は身体がカチコチだったけど、半袖とかで踊ってる遊び人(GANG PARADEファンの総称)を見たら私たちも元気になれたし、この13人とお客さんで一緒に楽しいライヴができて、ホントに良かったです」

ナルハワールド「私はギャンパレに加入したお披露目ぶりに野音に立てたのが嬉しかったです。お披露目の時は目の前のことでいっぱいだったのが、今回は13人でたくさん準備できたし、ステージからたくさんの遊び人の顔が見えて、安心したというか。こんなに自分たちを応援してくれている人がここにいるんだなって改めて思えたのも嬉しかったです」

ユメノユア「ギャンパレにとってはいちばん大きい規模でのワンマンなので、このタイミングで13人で立てたのが大きかったですね。長く応援してくれている人も久しぶりに来てくれた人も、数日前に知ってくれたという人も同じ時間を共有して、ずっとやってきたことがギュッと集まった1日というか、長い歴史を感じながらも、またここから新しい物語を作っていけるっていうワクワクを感じながらライヴできました。規模的な意味だと、この先は全員が未体験なので、またみんなで同じ方向を見て歩き出せるんじゃないかなって」

月ノウサギ「いまの13人で出せる最大のものは観せることができたかなって思います。個人的にはリハでステージに立った時に、良い意味でそこまで会場を大きいと思わなかったんですよ。それだけ13人のギャンパレに自信がある状態で野音に帰ってこられたのが嬉しかったし、それが遊び人にも伝わるライヴだった気がします。でも、そのうえで自分たちにまだ足りないものがあって、遊び人に見せたい景色がまだいっぱいあるということも再確認できて。〈これがゴールじゃなくて、ここからまだまだ行くよ〉って伝えることができたという意味で、凄く良い日でした」

キャン・GP・マイカ「野音に向けては久しぶりに鬼軍曹カミヤサキ(グループ創設者)を振付けの指導者に迎えて、1か月ぐらい前から特別にレッスンしてもらいました。サキちゃんと一緒に活動したことのないメンバーは、最初は怯えてたけど(笑)」

メイ「みんなに脅されてたから(笑)」

月ノ「恐怖のエピソードをいっぱい話してきたからね(笑)」

マイカ「そうそう。主に“FOUL”と“CAN'T STOP”の振りをリアレンジしてもらったり、いまは外の世界で活躍しているサキちゃんだからこそ見える部分で〈GANG PARADEが今後どうやって戦っていくか〉の手助けもしてもらえて、凄く濃い準備期間でした」

ココ・パーティン・ココ「いろんなグループを手掛けている振付師の目線で話してくれて。クオリティ・ファーストな時代なので、ギャンパレがもう一段階ステップアップするには、そこを高めないと厳しい部分も出てくるよっていう話をしてくれました。そのためのサキちゃんのレッスンでもあったし、昔のグループとは別物だからこそ13人を客観的に見てくれているので、外側の目線からいまのギャンパレの強みや課題をいろいろ話してもらいました」

月ノ「超ありがたかったです」

ヤママチミキ
ユメノユア

――野音の後は恒例のWACKツアーが3月の頭まであって、特に3月は忙しくされてた印象ですが、そのなかで〈東京マラソン〉に6名が挑戦されていましたね。

アイナスター「ファンクラブを運営してくださっているFanplusさんのご厚意で走らせてもらえて、めちゃくちゃ貴重な経験になりました。自由参加だったので最初は〈誰が走んねん〉って思ってたんですけど(笑)、昔はギャンパレも駅伝とかあったのが、最近WACK全体でもそういう企画がないじゃないですか。私は研修生の時代も長くて毎年のように合宿でがむしゃらなことをやっていたので、最近やってないのが不安になってきたっていうか……」

月ノ「病気だよ(笑)」

ナス「自分のケツを叩かないと腐るというか、挑戦するほうが自分の性格には合ってると思ったので参加しました。とにかくへこたれないで完走めざしてがんばろうって思って挑んだんですけど、遊び人が現地まで応援に来てくれたり、沿道にうるさい集団がいるなって思ったらメンバーだったり(笑)、めっちゃキツいのに楽しんで完走できました。3月は他にもアウェイな対バンやイベントが続いたけど、遊び人がいてくれるだけでホントに心強いなって思ったし、やっぱりメンバーの支えってめちゃめちゃ偉大だなって思いました」

――全員が参加希望ではなかったと。

マイカ「応援も必要じゃないですか(笑)」

テラシマユウカ(ユユ)「応援したくて(笑)」

――ナスさんはグループ内で3位でした。ユアさんがやはり速かったですね。

ユア「でも、セイも速かったよね」

カ能セイ「2位だったんですよ」

ユイ・ガ・ドクソン「それが今回の驚き」

セイ「WACKオーディションの合宿では早朝マラソンずっと最下位だったのに、ギャンパレで鍛えられたのかもしれない(笑)」

――マラソン直後に代々木第一体育館での〈AGESTOCK〉に出演されたのは大変じゃなかったですか。

チャンベイビー「ライヴが始まったら遊び人がいるし、横にはメンバーもいるので、アドレナリンがドバドバでライヴできました」

月ノ「無理かなって思ったけど、“Plastic 2 Mercy”が流れた瞬間、飛ばなきゃって思いました(笑)」

ドク「それはそうや」

キャン・GP・マイカ
ココ・パーティン・ココ

――その後もいろんなタイプのフェスやイベントが続きましたね。

ユア「やっぱり〈MEGA VEGAS〉が印象深いですね。Fear,and Loathing in Las Vegasさんはいちばん好きでずっと聴いてきて、ライヴも行っていた人たちで。前に対バンに呼んでいただいたご縁もあったんですけど、地元の神戸で開催されている大事なフェスに呼んでもらえたことが凄く嬉しかったです。出演者の皆さんも歴の長い先輩ばかりなのでビビってはいたんですけど。でも、出演者の皆さんもだし、何よりフロアで観てくれた音楽好きな人たちが楽しんでくれている様子がステージまで伝わってきたから、そういう人たちにギャンパレの音楽が届けられて良かったし、呼んでくださったVegasの皆さんにはホントに感謝でいっぱいですね。あと、神戸ワールド記念ホールのステージが広くて、いくら大きく踊っても誰ともぶつからない(笑)。あのステージに立てたことで、こういう会場で今度はワンマンやりたいなとか、いろんなフェスに出たいなとか、また夢が広がった感覚があって。〈MEGA VEGAS〉で一緒になった先輩たちとまた同じステージに立てるようにがんばろうと思ったし、その意味でもまたVegasさんから夢を貰ったなって思いました」

キャ・ノン「私はロンドンで開催された〈WACK in the U.K. Vol.2〉が思い出深いですね。初海外だったんですけど、こんなに楽しいならもっと早く行けばよかったと思って(笑)。ライヴでもそんな英語で喋ったりできないですけど、音楽を通してこんなにも1つになれるんだなって思いました。地元の方も他の国から来てくれた人もいて、拙い英語でも伝えられるのが嬉しいなと思って。自分の世界が広がりました」

ドク「ロンドンはマジ最高でした。日本語の音楽をどういうふうに聴いて感じてくれるのか反応が楽しみだったんですけど、音楽が言葉を超えるっていう空気を初めて体感して、それがめちゃくちゃいいなって思いました。目標もまったく別の視野で増えたし、いままでやってきたライヴとはまた違う音楽の可能性みたいなものを感じたのは自分の中で大きな体験でした。あと、いろんな国の方に知ってもらえているのもビックリでした」

ユユ「ライヴの楽しみ方とか文化の違いを感じておもしろかったです。みんなめちゃくちゃ声がデカいし、それこそ“ROCKを止めるな!!”を披露したらサビもずっと一緒に歌っててくれて、〈こういう楽しみ方も自由でいいな〉って思いました。あと個人的には、ロンドンに移住した中学からの同級生に久しぶりに会えて、アイドルとか知らない現地の友達も連れてライヴも観に来てくれたりして。観てもらえてよかったなって。凄く楽しかったです」

ベビ「私は去年の〈サヌキロック〉で行ってから個人的に香川が好きになって、老後は住みたいぐらいなんですけど、その〈サヌキロック〉に今年も出させてもらいまして。着いた時にちょうどTHEイナズマ戦隊さんがライヴされていたのを観させていただいて、イナ戦さんのパワーも貰って自分たちも楽しくライヴさせてもらいました。いろんな場所でライヴがあって、街全体がお祭りみたいで楽しくて、また来年も出たいなと思いました

ドク「振り返ると3月は確かに凄い」

ココ「マジ3月やばかったっすね。パンクしてました」