何が起ころうともこの旅は止まらない、止まれない! 早くも届いた新体制で初のシングルは改めて最高をめざす12人の気持ちを重ねて、この熱い季節を鮮やかに彩る!
1月の日比谷公園大音楽堂ワンマン〈天晴れ!真冬の大ギャンパレ音楽祭 in 日比谷野音〉を見事に成功させ、5月のトリプルA面シングル『パショギラ/躍動/ROCKを止めるな!!』を発表したGANG PARADE。その勢いのまま6月からは再始動後初のオールスタンディング開催となる〈AVANTGARDE PARADE TOUR〉に突入するも、ツアー終了後にはカ能セイが脱退。ただ、それで歩みが止まるはずもなく……早くも届いた12人体制で初のシングル『Peace☆超パニック/一夏』はまたも彼女たちの持ち味を拡張する内容に仕上がっています。そんなニュー・シングルについて、グループの現状について、勢揃いのメンバーに話してもらいました(取材は7月末に行いました)!
12人で向かう先
――改めて久々のオルスタ開催となった〈AVANTGARDE PARADE TOUR〉はいかがでしたか。
キラ・メイ「いろいろあってあまり覚えていないんですけど(笑)、初めてやる曲もあったりして、それぞれの曲の良さを改めて感じたツアーでした。ライヴで遊び人(GANG PARADEファンの総称)と一緒に盛り上がれる定番曲だけじゃなく、公演ごとのテーマに合わせてセットリストを変えていたので、〈こんなに曲があるとこんなにいろんなことができるんだ〉って、私たちも毎公演いろんな楽しみ方ができたし、お客さんもいろんな楽しみ方をしてくれて、楽しいツアーでした」
アイナスター「名古屋は歴の短い6人で初めてセトリを作ったんですけど、ギャンパレでオルスタ経験のないメンバーがほとんどだったので、怖いもの知らずでありえないぐらいキツいセトリを作って、やってみたらめっちゃ楽しくて(笑)。もちろん改善しなきゃいけない点はどの日もあったんですけど、初日の北海道は全体的に探り探りで始まったのが、自分たちでセトリを考えられたり、回を重ねていくうちに少しずつオルスタでのライヴのやり方がわかってきたし、遊び人の熱もどんどん上がっていった感じがして、ファイナルのLIQUIDROOMは途中で記憶がなくなるぐらい熱くて、めっちゃ楽しかったです」
――そんな快調なツアーの途中でセイさんの脱退発表がありました。率直にどう感じましたか?
月ノウサギ「急だったのでショックは大きかったし、13人で2年以上やってきて、これをまだまだ続けたいって思っていたから、もちろん残ってほしかったけど、そういう気持ちで続けても本人にとって良くないし、何よりGANG PARADEにとっても良くないので、〈わかった。セイの人生だから好きにしな〉という気持ちになりましたね。だから、寂しいけど無理に引き留めはしなかったかな」
ココ・パーティン・ココ「聞いた時は率直に〈寂しいよ〉って伝えたんですけど。でも、その話を聞いたのが滋賀から夜中に帰ってきて、次の日の朝練習の時だったんですけど、私は滋賀でのライヴがツアー中のキーになるぐらい楽しかったというか。凄く熱気のあるライヴができて、どんどん可能性が広がりそうだな!って」
――可能性が(笑)。
ココ「ワードが使いづらい(笑)。そういう余韻があるなかで聞いたので、〈やっぱり人によって感じ方の違いはめちゃめちゃあるんだな〉って実感したし。自分がグッときた日だったからこそ、寂しいけどしょうがないなって。私たちには私たちの人生があるし、ギャンパレはギャンパレに懸けてる人たちで続けたほうがいいに決まってるので。そうやって気持ちを整理して、12人体制の準備に追われながら最後を迎えたという感じでした」
チャンベイビー「ホントに寂しいなっていうのはみんな同じ気持ちで。でも、お別れする時間を設けてもらって、ちゃんと最後まで一緒にやれたのは良かったなって思います」
――最後がない例も多いですからね。
ユメノユア「13人で2年間やってきて、ここまで同じ体制で続いてきたことがなかったので、心の中でこの13人で続いてくのが当たり前だって思っちゃってたところも正直あったから、凄く寂しいし、いろいろ感情はありました。でも、ドライな言い方に聞こえるかもしれないけど、ギャンパレが一番じゃない子とやっていくのが難しいと私は思った。そこは本人の人生の選択だから仕方ないし、私たちも生半可な気持ちでやっているわけではないから。ただ、ギャンパレとしてこれからも音楽やライヴを届けることしか考えていないので、12人でこの先どうしていくか考えることが山積みだったから、そういう意味でもネガティヴになる暇もないまま日々を過ごしてきましたね(笑)」
――現実的な話をすると、過去の持ち曲を13人用の歌割やフォーメーションで少しずつ作り直してこられたのが、また振り出しに戻った格好になるので……。
月ノ「ホントそうですよ!」
ユイ・ガ・ドクソン「2年かけてずっと作り続けてきて(笑)」
キャン・GP・マイカ「〈この曲もライヴでできる!〉〈これもできるね!〉みたいな」
ナス「130曲ぐらい作ってたのが……」
ドク「10曲ぐらいになった(笑)」
ユア「しかも、今回の〈AVANTGARDE PARADE TOUR〉でめっちゃ増やしてたんだよね」
ココ「一気に手札がなくなりました」
ヤママチミキ「みんなこの話になると、こうやって盛り上がるんですよ(笑)」
ココ「だから、正直ホントに寂しいとか言ってる暇がマジなくて」
――お察しします。過去にもいろんな変化はありましたけど、12人というのは初めてですもんね。
ココ「ちょっと偶数ムズいっす」
キャ・ノン「再始動して4か月ぐらいは10人だったけど」
ナルハワールド「私が入った時も10人」
ココ「そうか。でも、10と12は違いすぎて。〈1人の違いでこんなに違うんだ〉っていうのは、いままででいちばん感じてるかもしれないです」
ドク「フォーメーション作り直すのを甘く見てました。最初はどんどん作れると思ってたんですけど」
ユア「だから、いまはまだ12人のフォーメーションの見映えの正解じゃなくて、研究中です。そもそもレギュラーな形のライヴをあんまりしていないので」
ココ「ツーマンとかフェス、ファンクラブ限定みたいなイレギュラーな形が多くて」
――7~8月はファンクラブ限定ツアー〈FANCLUB TOUR ASOVIVA〉と学生限定ツアー〈ALL FOR STUDENTS TOUR〉をメインで回られていますね。FCツアーは企画で優勝したユアさんのプロデュースによるパンクなコンセプトでやられていますが、モッシュOKなエリアがあったりして通常のツアーとは内容が違うんですよね。
ユア「そうですね。モッシュもそうですし、ライヴ中にやるユニット曲の編成がGO TO THE BEDSとPARADISESの当時のメンバーだったり、ナスと月が合宿でやった曲だったり。あとはメドレー形式で曲を披露するのも新しいチャレンジ的な要素ですね。全体的にゴリゴリの音厚めの曲をセレクトしていて、みんなで盛り上がれる曲をやるのと、MCもなるべく少なくして、アンコールもやらないので。今回は本編だけでメンバーも遊び人もくたばって終わろうっていうのをモットーにしていますね(笑)」
ドク「いちばん激しい女がプロデュースしただけのことはある」
月ノ「〈ユメノユア〉って感じする」
ココ「ステージ上から遊び人を見ててもめっちゃ楽しそうで」
月ノ「ホントに解放されたかのように暴れ狂っててめっちゃ楽しかった」
ノン「微笑ましいです」
マイカ「モッシュエリアの合図みたいなのも初めて経験して、おもしろいなって」
テラシマユウカ「ユアちゃんのコンセプトもあって、〈ウワ~〉って終わっていくみたいな感じです。うちらも遊び人も良い意味で脳筋になれる(笑)」
ナス「でも、それで良かった感じがします。このタイミングで〈みんな、もうとりあえずバカになって騒ごうぜ〉っていう感じになれるので」
――切り替えるのにちょうど良いスタイルのツアーになったわけですね。
月ノ「いまは余計なことを考えずにライヴに挑めるっていうのはあります。新しくやることが多いし、体力的にも」
ベビ「でも、しんどくて楽しい」
ドク「あんたはドMやからね」
ベビ「追い込まれて楽しい(笑)」
――そのFCツアーも含め、12人でのステージはやってみていかがですか?
ユユ「ちょっとだけステージが広くなったかも(笑)。でも、13人最後と12人の準備を同時にやってきたので、自分たちの感覚的には急に大きく変化したっていうよりは、グラデーションみたいに変わってきた印象で。そこの変化はお客さんにできるだけ感じさせたくないし、〈12人になっても楽しい遊び場は変わらないな〉っていう空気は意識して出していきたいです。ただ、立ち位置が変わって混乱したのはありましたね」
ナルハ「それでまたライヴが緊張するようになってしまいました(笑)。ライヴ前にめっちゃ確認するけど、それでも〈やばい!〉みたいに追われてしまうところがあって。新しくやることも多いのでちょっとパニックを感じるんですけど、いっぱい練習しています」