フリー・フォークの漂泊王子、デヴェ様の新作が良い。全体の雰囲気はしっぽりと内省に沈み込んでいるが、飄々としたユーモアが微風のようにそよいでいるので聴き心地は軽やかだ。マリンバや琴なども交えた浮遊感のあるサウンドは無国籍かつ非現実的な響きを放ち、音楽によるマジック・リアリズムの如き趣。ふと思ったのだけれど、程良く自己陶酔した歌唱のダンディズムは意外とブライアン・フェリーに通じてないか!?