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2016年の聖夜を彩るクリスマス盤を紹介!

KENNY LATTIMORE A Kenny Lattimore Christmas Motown Gospel(2016)

キャリア初のクリスマス盤は、初のインスピレーショナル作品という意味合いも兼ね備えた一枚に。ケニー・ラティモアのクリスマス・ソングといえば“This Time Of Year”(98年)というアーバンな隠れ名曲も思い出されるが、ここでは敬愛するダニー・ハサウェイの“This Christmas”を下敷きにしたソウルフルな“Real Love This Christmas”で温かくスタート。生来の優等生っぽさをいつも以上に出した雰囲気もありつつ、ビッグバンド調からアカペラ、アコースティックな清唱までを紳士的に聴かせる。クワイアを従えて昂揚する“Reason To Celebrate”が圧巻! *ルヴァン

 

KACEY MUSGRAVES A Very Kacey Christmas Mercury Nashville(2016)

ミゲル“Waves”のリミックス・ヴァージョンに招かれるなど活躍の場を広げ、今年は私服スナップもたびたびキャッチされてイット・ガールの仲間入り。その成功の証として吹き込んだ本作は、〈品行方正な次期テイラー・スウィフト〉といった彼女のイメージに合う、爽やかな一枚となりました。ウィリー・ネルソン客演のハワイアンや引き語りでのワルツ、ウェスタン・スウィングにリオン・ブリッジズとのレトロ・ソウルなどなど、ノスタルジックだけどセンティメンタルにはならず、明るく振る舞いつつも弾けすぎないのがケイシー流。親御さんウケも良さそうです。 *ローストビーフ

 

SHE & HIM Christmas Party Columbia(2016)

女優のズーイー・デシャネルとシンガー・ソングライターのM・ウォードから成る男女デュオ。そのヴィンテージなポップ・サウンドとホリデイ・ソングとの相性の良さは2011年の『A Very She & Him Christmas』で証明済みだが、このたびその第2弾が登場した。パーティーのオープニングは、マライア・キャリー“All I Want For Christmas Is You”のカヴァー。クリスマス時期の華やぎを演出しつつ、“Let It Snow”“Winter Wonderland”といったスタンダードも並ぶ本作は、全体的にジャズやカントリーなどをベースにした落ち着いたムード。大人の憩いの時間に似合いそう。 *ひいらぎ

 

FRANKIE VALLI Tis The Seasons Rhino/ワーナー(2016)

フォー・シーズンズとの世界ツアーで大忙しなヴァリから届いた9年ぶりの便り。しかもソロ名義では初のクリスマス・ソング集で、プロデューサーは盟友のボブ・ゴーディオだ。声量の衰えは否めないものの、そこを貫禄の歌い崩しで乗り切る感じが素敵だし、何より高音パートから醸される甘酸っぱさはこの人にしか出せない味。エレポップ風やジェフ・ベックのギターが効いたブルース・ロックをはじめ、アレンジも多彩で飽きさせない。同時リリースされた「ジャージー・ボーイズ」のミュージカル・キャストによるドゥワップな冬盤も合わせてぜひ! *シャンパン

 

ARIANA GRANDE Christmas & Chill Republic/ユニバーサル(2016)

昨年の配信EPを日本でのみパッケージ化した本作は、近作と同じトミー・ブラウンのプロデュースによるソウル味たっぷりな小悪魔チル作品。そのなかで異色と言えるのがジェイソン・ムラーズっぽいフォーキーな“True Love”で、彼女の新たな表情にまたしても翻弄され……。 *ロウソク

 

RASCAL FLATTS The Greatest Gift Of All Big Machine(2016)

やっと登場したキャリア初のクリスマス盤。ロッキンにカッ飛ばしたり、甘々のオールディーズ調で蕩けさせたり、激烈ファンクでワイルドにキメたり、ジェイのセルフ・プロデュースのもと定番曲をあの手この手で調理し、3人の魅力を多角的にアピール。タイトル通り最高の贈り物だね! *暖炉

 

CHIHIRO Christmas Love インペリアル(2016)

胸を打つ恋愛ソングで女性支持の高い彼女だけに、このミニ・アルバムでも多様なシチュエーションを用意。モータウン仕掛けの“Dear Santa”で幸せな日を祝し、曲名まんまな“シングルジングルベル”を過ごし、“Champagne Love”で友情に乾杯……独自の詞で歌う“Last Christmas”もいい! *リッツ

 

ANDRA DAY Merry Christmas From Andra Day Warner Bros./ワーナー(2016)

今年のグラミー候補でもあった彼女が日本でも話題になったのは、昨年のAppleのクリスマスCM(今後も定番化していきそう)でスティーヴィー・ワンダーとデュエットした“Someday At Christmas”でした。これはアルバムを出す前の2013年に無料公開していたEPに同曲を加えたもの。 *キャビア

 

LORETTA LYNN White Christmas Blue Legacy(2016)

今年は12年ぶりのアルバムでも沸かせた女王の、自身2枚目の聖夜盤。エルヴィス・プレスリー“Blue Christmas”へのアンサーとも取れる冒頭曲ほか、酸いも甘いも噛み分けた艶っぽい歌唱と古き良きカントリー&ウェスタンの演奏が、独り身の寂しい心にそっと光を灯してくれます。 *手酌酒

 

VARIOUS ARTISTS Disney Magical Pop Christmas Walt Disney(2016)

ディズニー映画を彩る名曲群が、ベルの音なども交えながらハウスやR&B風の冬仕様に衣替えだよ! しかもマイクを任されたのはBeverlyこんどうようぢMiracle Vell Magicらいまが旬のヤングばかりということで、イルミネーションも嫉妬しそうなほどの物凄いキラキラ感! *あたりめ

 

PENTATONIX A Pentatonix Christmas RCA/ソニー(2016)

全米チャート3位を記録済みの話題作。伝統的なアカペラを厳かに披露した2014年のホリデイ盤と比べ、こちらはイン・シンクのカヴァーなどペンタトニックスの十八番である溌剌としたアップが多め。とりわけメンバーの書き下ろしによるドゥワップ曲には抗えないウキウキ感がある。 *となかい

 

EDM×CHRISTMAS EDM×CHRISTMAS ATLAS/Village Again(2016)

猫がEDMスタイルで聴かせるクリスマス・スタンダード……って文字にすると冗談企画のようですが、レーベル名から仕掛人がわかる人なら想像がつくように、中身はド派手なハウス~ベース・サウンドでアップリフティングに盛り上げてくれます。しかも終盤ではお正月まで先取り! *さけるチーズ

 

星野みちる 素敵にX'mas Night HIGH CONTRAST/ヴィヴィド(2016)

星のみちる季節に、7インチ+CD形式のクリスマス・シングル! 本人作曲の表題曲はアレンジャーにゲイリー芦屋ヒゲの未亡人)を迎え、マライアmeetsウォール・オブ・サウンド的な麗しさで曇りのない歌世界を聴かせます。初ヴァイナル化のラヴァーズ“星に、メリークリスマス”も最高! *いくら