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大ヴェテランのタイプライター

 かつては大我あざなタイプライターの名で知られたラッパー兼プロデューサー。97年にデビュー・シングルを発表した千葉のヴェテランで、名を知らしめたのは四街道ネイチャー“惨事”(98年)への客演あたりからだ。2002年に自身のレーベル=254を設立し、黄者や黒など複数のユニットを組織して独自のポジションを構築。2005年には自身の率いるラップ・グループ、EAST UP LINE STARSでメジャー・デビューを果たし、2008年には初のソロ・アルバム『0』をリリースすることになるが、活動の比重は徐々にプロデューサー業に傾いていくことに。

 D.OCORNHEADRYUZOAnarchyAIらを迎えてトータル・プロデュースした映画「TKO HIPHOP」(2005年)のサントラは話題となった。それに前後して、他にもKAMINARI-KAZOKUDELIDABOSIMONUZIマイクアキラらを手掛け、Zeebraの“Oh Yeah”(2006年)やAKTION“Still Neva Enuff”(2008年)などのヒットにも貢献している。なお、相性の良い般若には最新作『グランドスラム』収録の“寝言”に至るまで、これまでも何度となくビートを提供。2010年代初頭からの一時期は仕事を減らしていたと思しき様子もあったのだが、近年はAK-69の“KINGPIN”を手掛けるなど、表舞台でクレジットを見る機会もまた増えてきているところだ。

タイプライターの参加作品を一部紹介。

 

ここ数年で勢いを掴んできたYMG

 スマッシュ・ヒット“NEW MONEY”(2012年)や全曲プロデュースした『D.R.O.P』(2014年)など、ISH-ONEとの仕事で名を広めた埼玉出身のプロデューサー。もともとはKREVAの主催するビート・オーディションで最優秀賞に選ばれて脚光を浴び、L-VOKALの『LOVIN'』(2010年)で2曲を担当したあたりからビートメイカーとしての活動を本格化しはじめる。ダイナミックで鳴りの良いUS志向のビートを持ち味に、KEN THE 390やZeebra、KOJOE晋平太SATUSSYFRGPONYSTICKY遊戯、そしてシンガーのCIMBAらを次々にプロデュース。特にRAU DEFとは“Violet Approach”(2011年)の制作を契機に、GOICHIも交えたトリオのHypnotyzを結成して『Justice』をリリースしてもいた。以降もMaryJaneからTOC、TENZANSKY-HIILLBLASTら、昨年のMONYPETZJNKMN“¥”に至るまで、幅広い顔ぶれをプロデュース。この後にはBESのニュー・アルバム参加も明かされている。

ISH-ONE『D.R.O.P』収録曲“RIDE WITH MY HOMIE”

YMGのプロデュース参加作を一部紹介。