これまでCDで出ていた音質はDG末期のアナログ録音の良さを十分伝えてくれていなかったが、今回の世界初SA-CD化の音は、見違えるほどのクオリティで驚かされた。シカゴ交響楽団のとりわけ金管の全盛期とも言える黄金の響きが素晴らしい音質で堪能できる。ようやくハーセス、フリードマン、クレヴェンジャー、そしてジェイコブスの張りのある響きが、驚くほどのスケールで聴けるようになったのは嬉しい。オケの自主性と、内面から沸き立つアバドのマーラー感が見事に融合した希有の名演。最新のデジタル化&マスタリングで、アナログ録音がまるで最新録音かのようにそびえ立つ。