クラシックの〈お聴き初め〉は温故知新
――ユニバーサル ミュージック〈Everything Classics〉シリーズ200点、第1回発売はDGレーベル50点

究極のカタログ・シリーズ〈Everything Classics〉がスタート!
長く聴き継がれてきた音楽だからこそ、時代に左右されない普遍的な魅力にあふれるクラシック。あなたの生活に彩りを添え、心を豊かにしてくれる、一生モノの出会いがきっと待っています。

 〈最初に買ったディスク〉の封を開け、解説を読み、再生するまでのトキメキは一生に一度の体験に違いない。ユニバーサル ミュージックでは〈ドイツ・グラモフォン(DG)〉〈デッカ〉2大レーベルの名盤それぞれ100点、全部で200点からなる〈Everything Classics〉シリーズを2025年5月から50点ずつ、4度に分けてリリースする。すべてのディスクで素材を従来のポリカーボネートから光硬化樹脂に替え、盤面に不要な反射を吸収するグリーン・カラー・レーベルコートを施した〈UHQCD〉規格を採用した。

 DGは1898年、円盤レコードを発明したエミール・ベルリナー(1851―1929)が設立した〈世界最古のクラシック専門レーベル〉。1949年以降〈黄色いレーベル〉で親しまれてきた。1947年には古楽専門の〈アルヒーフ〉レーベルも立ち上げ、中世・ルネサンス音楽から同時代の新作までを網羅するカタログを整えた。中でも1959年に旧EMI(現ワーナー)からヘルベルト・フォン・カラヤンを〈取り戻し〉、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と大量の録音を行ったことで、トップブランドの地位を確かにした。

 第1回発売分は、18世紀バロック音楽(10点)から古典派を経て19世紀ロマン派に至るドイツ=オーストリアなど中欧(ミドル・ヨーロッパ)文化圏の音楽が中心。〈No. 1〉に当たる品番UCCG-46001は〈指揮者を置かないオーケストラ〉としてビジネス書の題材にもなったニューヨークの腕利き集団、オルフェウス室内管弦楽団による『パッヘルベルのカノン/バロック名曲集』だ。タイトル曲以外にも“G線上のアリア”“アルビノーニのアダージョ”など、誰でも一度は耳にした名旋律が次々に現れる。続くJ・S・バッハ9点のうち5点はカール・リヒターの名盤。ミュンヘン・バッハ管弦楽団を指揮した“マタイ受難曲”(抜粋)“ロ短調ミサ曲”、“管弦楽組曲”“ブランデンブルク協奏曲”全曲のほか、チェンバロを独奏した“ゴルトベルク変奏曲”もある。ヴァイオリン曲は〈新〉のヒラリー・ハーンが協奏曲、〈旧〉のヘンリク・シェリングが無伴奏、“無伴奏チェロ組曲”は〈中間〉のミッシャ・マイスキーと、演奏家の世代分散も面白い。

 モーツァルトは10点。『交響曲第40番&41番“ジュピター”』にはカール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団の2種類をそろえた。1963年、東京の日生劇場オープニングでベルリン・ドイツ・オペラと初来日、「フィガロの結婚」を指揮して以来、日本ではベームに〈モーツァルトのスペシャリスト〉のイメージがついた。ここでも交響曲だけでなく「フィガロの結婚」と「魔笛」のハイライトと“オペラ序曲集”、“レクイエム”が並ぶ。アバドもウィーンの鬼才ピアニスト、フリードリヒ・グルダとウィーン・フィルの“ピアノ協奏曲”、亡くなるまで手塩にかけて育成したモーツァルト管弦楽団の名手たちとの“クラリネット、フルート(第2番)、ファゴットのための協奏曲”でベームに続く。モーツァルトと同じザルツブルク出身のカラヤンは“アイネ・クライネ・ナハトムジーク”など肩の凝らない管弦楽曲、若い時から〈モーツァルト弾き〉と目されたマリア・ジョアン・ピリスは“トルコ行進曲付きソナタ”をはじめとするピアノの名曲でシリーズに加わった。

 ベートーヴェンは15点と最多。交響曲はレナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル、カラヤン指揮ベルリン・フィルの〈ライバル対決〉が聴きもので、『交響曲第9番“合唱付”』ではなんと、両者の2タイトルを並べた。『第5&7番』にはカルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルの名盤も用意した。ピアノ協奏曲はマウリツィオ・ポリーニ、ヴァイオリン協奏曲はアンネ=ゾフィー・ムターがソロ。ヴァイオリン・ソナタがギドン・クレーメルとマルタ・アルゲリッチの比較的新しい録音なのに対し、ピアノ三重奏曲はヴィルヘルム・ケンプとピエール・フルニエ、シェリングの歴史的名盤だ。ピアノ・ソナタはポリーニ、エミール・ギレリスが2点ずつ、最後の3つのソナタ(第30〜32番)にはルドルフ・ゼルキン最晩年の名盤が選ばれた。

 ロマン派も15点。最初の3点はシューベルトで“未完成”交響曲はクライバー指揮ウィーン・フィル、バーンスタイン指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の聴き比べが可能。“ピアノ五重奏曲「ます」”はムターやダニール・トリフォノフ(ピアノ)らのフレッシュな演奏。メンデルスゾーンも3点。“真夏の夜の夢”は小澤征爾指揮ボストン交響楽団、日本盤は松本隆が台本を書き下ろし、吉永小百合が朗読する。“無言歌集”はダニエル・バレンボイムのピアノ。“ヴァイオリン協奏曲”はチャイコフスキーとの定番カップリングで20世紀の大ヴァイオリニスト、ナタン・ミルシテインがアバド指揮ウィーン・フィルと共演した歴史的名盤だ。ショパンは8点で協奏曲はクリスチャン・ツィメルマンの弾き振り、ソロ曲はツィメルマンにポリーニ、ピリス、ラファウ・ブレハッチ、アリス=紗良・オットと多彩な顔ぶれ。最後の1点は若き日のツィメルマンがカラヤン指揮ベルリン・フィルと共演したシューマンとグリーグの“ピアノ協奏曲”だ。

 


RELEASE INFORMATION
♪歴史上に燦然と輝く名門レーベルから名盤200タイトルを厳選、全4回に分けてリリース

第1弾:2025年5月14日(水)発売 ドイツ・グラモフォン編
第2弾:2025年6月11日(水)発売 デッカ編
第3弾:2025年9月10日(水)発売 ドイツ・グラモフォン編
第4弾:2025年10月08日(水)発売 デッカ編 各50作品

Everything Classics公式HP
https://www.universal-music.co.jp/classics/everythingclassics/