インタビュー

少しずつ音楽性を変化させてきた4人組バンド、FIVE NEW OLD。ブラック・ミュージック色を強めた新作EPでいよいよメジャーへ

FIVE NEW OLD『BY YOUR SIDE EP』

少しずつ音楽性を変化させてきた4人組バンド、FIVE NEW OLD。ブラック・ミュージック色を強めた新作EPでいよいよメジャーへ

 USのポップ・パンクへの憧れからスタートし、ラウド/メロコアのシーンを通過しつつも、徐々にメンバーがもともと持っていた幅広い音楽性をソングライティングへ投影させるように。加えてR&Bやソウルの色合いを強めた楽曲がマルーン5や1975、フォスター・ザ・ピープルともリンクする神戸出身の4人組、FIVE NEW OLDがメジャー・デビュー作『BY YOUR SIDE EP』を完成させた。年明けに発表された前作『WIDE AWAKE EP』にはギター・ロック調の楽曲も収録されていたが、本作はゴスペル、ファンク、AORといったブラック・ミュージック的なテイストが前に出ている。

FIVE NEW OLD BY YOUR SIDE EP トイズファクトリー(2017)

 「今回の作品は自分たちのこれまでの集大成でありつつ、今までやってきたことを昇華させて、もう一歩踏み出すことに重きを置いて作りました。これまではロックとブラックなものの色がはっきりと分かれてたけど、“By Your Side”ではロックっていうものも、自分たちのスタイルに混ぜ込めたかなって。この曲は作ってる最中からどこか懐かしさを感じたりもしていて、結成から7年分のちゃんこ鍋みたいな曲だなって思います(笑)」(HIROSHI NAKAHARA:以下同)。

 ゴスペル風のコーラスをフィーチャーした“By Your Side”では、初の外部アレンジャーとしてA.F.R.OのSHUN(春日俊亮)を起用。GReeeeNをはじめとしたJ-Popアーティストを手掛けつつ、自身がプレイヤーでもある春日の視点が加わり、バンド感をしっかりキープしたまま、より開かれた作風に仕上がった。

 「もともとはライヴを意識して、〈みんなで一緒に歌えるものを作りたい〉って思ったんですけど、ちゃんと4人で鳴らすバンド・サウンドにしたくて、メンバーからいろんなアイデアをもらったんです。でも、それをどうまとめていいかわからなくなっちゃったときに、SHUNさんを紹介してもらって、客観的なアドヴァイスをもらいました。結果として、ゴスペルやR&Bを母体としつつも、ちゃんとロック・バンドの サウンドになったと思って、Cメロの表打ちの部分は、オアシスっぽくも聴こえると思うんですよね。もともとスケール感の大きい曲にしたいと思ってて、〈最後は“Hey Jude”みたいだね〉って話もしてました」。

 “Too Good To Be True”ではサックスにSANABAGUN.の谷本大河を迎え、AORテイストの強い楽曲に都会的な雰囲気をブレンド。マイケル・ジャクソンの“P.Y.T.”をよりアッパーにしたような“Not Too Late”や、HIROSHIが最近のお気に入りに挙げるトム・ミッシュに影響を受けたという“The Dream”と、4曲共に充実の仕上がりだが、制作はいつになく苦労したという。

 「今思えば〈メジャー・デビュー〉っていうのを意識してたのかもしれないけど、DTMを使うようになってから、一人で曲を作る時間が増えたのもあって、結構〈どうしよう?〉ってなっちゃったんですよね。でも、今回は最初からメンバーが一緒にいてくれて、そういう意味でも、最初に立ち返ったような感じがあって。『BY YOUR SIDE EP』っていうタイトルは、そうやって自分の側にいる人を改めて意識したなかで、いろんな出会いと別れ、距離感に目がいくようになって出てきた言葉です。『Ghost In My Place EP』(2016年)を出した頃から聴いてくれる人との距離感も考えるようになって、生活を少しでも彩れたらいいなと思って曲を作ってきたので、そういう意識も表れていると思います」。

 7月からは初ワンマンを含む全国ツアーを開催。かつて対バンしていたラウド系のバンドたちが大きなステージに立つ姿を横目で見ながら、FIVE NEW OLDはあくまで自分たちの信じる道を進もうとしている。

 「僕らは畑の違うところからスタートして、徐々に今の音楽性に至ったので、ネガティヴな意味で〈どっちにも行けない〉と考えてしまうこともありました。でも、その状態をポジティヴに受け止めて、ブレずにやり続けることによって、最後にはどんでん返しを見せたいと思いますね」。

 


FIVE NEW OLD
HIROSHI NAKAHARA(ヴォーカル/ギター)、WATARU OMORI(ギター/キーボード)、YOSHIAKI NAKAI(ベース)、HAYATO MAEDA(ドラムス)から成る4人組。2010年、神戸にて結成。2012年に初のミニ・アルバム『LOVESICK』を発表。翌2013年にはMAXIMUM10のレーベル・コンピ『MAYDIE!!』への参加し、2015年にファースト・アルバム『LISLE'S NEON』をリリース。その後は2016年の『Ghost In My Place EP』、2017年1月の『WORLD AWAKE EP』と2枚のEPを送り出し、2月に渋谷CLUB QUATTROで行われたツアー・ファイナルでメジャー・デビューを発表。このたびニューEP『BY YOUR SIDE EP』(トイズファクトリー)をリリースしたばかり。

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