レーベル移籍後では初のフル・アルバムは、ワードローブから好きな楽曲を選んで一緒に出掛けたくなるような、ヴァラエティー豊かで開放感のある仕上がりに。原点回帰のポップ・パンク/パワー・ポップな“Summertime”、スタイル・カウンシル“Shout To The Top”をトラップ以降のビート感でモダナイズしたような“Hallelujah”、サックスが咽び泣くネオアコ風の“Sleep in Till The Afternoon”と、ソウル・フィーリングはそのままに、年代やジャンル、英語と日本語、生演奏と打ち込みを自由に織り交ぜた作風は実に風通しが良い。もちろん、本作が決してただ明るいだけでなく、喪失の先に光を見い出そうとする意志の込められた作品であることも、ラストを締め括る重厚なバラードから確かに伝わるはずだ。