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ギラギラと精力漲る2010年代のカルロス・サンタナ

 デビュー50周年が間近だというのに一向に創造性の衰える気配がないカルロス・サンタナ。とりわけ2010年に12歳下の美人ドラマー、シンディ・ブラックマンと再婚して心身共に若返ったか、以降の活躍ぶりには目を見張るものがある。インディア・アリーやナズら曲ごとにシンガーを迎えたロック古典のカヴァー集『Guitar Heaven: The Greatest Guitar Classics Of All Time』(2010年)を皮切りに、自身のレーベル=スターフェイスの立ち上げ第1弾となるインスト盤『Shape Shifter』(2012年)、ミゲルやグロリア・エステファンとの共演曲を含む初の全編スペイン語アルバム『Corazon』(2014年)と力作を連発。純度の高いギターの響きを追求しつつ、エンターテイメント性を向上させるという、デビュー時から変わらない目標に向かってますます貪欲に突き進んでいる。そして昨年には初期サンタナの主要メンバーを再集結させて幻の4枚目、すなわち『Santana IV』をリリースし、往年のファンの夢を形にしてくれたばかり。来るべき『Santana V』の到着も待ち遠しいし、本当に恐るべき現役感だ。 *桑原シロー