Mrジュークスはボンベイ・バイシクル・クラブのジャック・ステッドマンによるソロ・プロジェクト。ギター・ロック・バンドのフロントマンが実はジャズ・ベーシストとしての一面も持ち、日本のジャズ喫茶をこよなく愛する男だとは、それほど知られていないだろう。この初アルバムも日本独自の文化と言えるジャズ喫茶に通い詰め、至福のひと時を過ごしながらアイデアを膨らませて作ったもの。例えばグラント・グリーン“Ain't It Funky Now”をその場所で聴いて〈サンプリングしないわけにはいかない!〉と感じ、チャールズ・ブラッドリーの歌をフィーチャーして完成させたのが、題名もズバリの“Grant Green”だったりする。ほかにもBJ・ザ・シカゴ・キッド、デ・ラ・ソウルとホレス・アンディ、レイラ・ハサウェイ、リアン・ラ・ハヴァスら錚々たるゲストが参加。ジャズのみならず、ソウルやファンクの汁もジュワジュワ溢れ出た漆黒の快作。いやもう、センス良すぎですね。最高。