父親がジム・クロウチということもあり、フォークの文脈で語られることの多い歌い手だが、本作でめざしたのはあきらかにソウルであろう。ダン・ペンがプロデュース、スティーヴ・クロッパーやデヴィッド・フッドらが演奏をサポート。そんな布陣からも伝わるように、US南部の匂いを強烈に漂わせた妖しくてコクのある一枚だ。ドクター・ジョンにも通じるぶっきらぼうな主役のヴォーカルが活き活きと黒光りしている。