マイアミの秘宝はまだまだ尽きない! 著名盤も知られざる作品もまだあるよ
マイアミ・ソウルの王道からサンシャイン印のディスコ~ファンクまでを送り出し、主に70年代を通じて多種多様な作品を残してきたTK。創設者のヘンリー・ストーンが運営した30以上ものレーベル/ブランドの集合体という成り立ちゆえの間口の広さもあって、ベティ・ライトやKC&ザ・サンシャイン・バンド、ラティモア、リトル・ビーヴァー、ティミー・トーマスといった看板アクトはもちろん、他エリアからの流入組や、舶来品も含むディスコ・プロジェクト、レゲエやジャズ、AORに至るまで、残された作品の幅がとんでもなく広いこともご存知だろう。2016年からは〈The Miami Sound: Original Soul / Funk / Disco Collection〉としてSolidによる復刻プロジェクトが始まり、本連載でもたびたびカタログを紹介してきたが……というか、第150回で〈TK最終章〉とか謳ってたのは完全に早まりました。それどころか、世界初復刻の8タイトルを含めて10作品がラインナップされている。
そのなかで唯一ポピュラーなのが、ミルトン・ライトの2タイトル。過去にもいろんなレーベルからリイシューされてきたが、ここにきて本シリーズのラインナップに加わることになった。残るはすべて世界初CD化の作品で、なかでも注目はベティ・ライトの夫として知られたジャマイカの才人キング・スポーティの2作品か。他にディスコ方面で知られたリッチー・ファミリーの2作品、ヴァリエーションズの2作品、そしてロック・バンドのクラッカー、レーベル末期のホット・スポット、とどれも珍しい作品ばかり。さらに今回は永井博の選曲したコンピも出るということで……まだまだ(もうちょっとだけ)TKは終わらない!