デイヴ・グロール宅のガレージでアナログ録音を敢行した2011年の前々作『Wasting Light』、全米の音楽都市8か所を巡りながら作り上げた2014年の前作『Sonic Highways』と、行くところまで行ってしまった感もあったフー・ファイターズだが、どうしてどうして。今度のアルバムは何とポップ職人、グレッグ・カースティンとの初タッグである。これが大成功で、ヘヴィー&ラウドに振り切れた楽曲群と、グレッグならではの多彩にして精緻な意匠が完全融合。爆音なのに美しいという、マジックのようなロック作品が誕生した。「モーターヘッドが作った『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』」なるデイヴみずからのコメントにも納得。ゲスト陣も豪華で、グレッグの相方であるイナラ・ジョージやショーン・ストックマン(ボーイズIIメン)に加え、ポール・マッカートニー御大の名も! 今回からキーボーディストが正式加入しているし、このバンドの進化はまだまだ止まりそうにない。