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DISCOGRAPHIC WEEZER
ウィーザーを知るための11枚

WEEZER Weezer DGC(1994)

“Buddy Holly”などの代表曲を多数含むファースト・アルバム。新世代パワー・ポップの一枚として注目されたが、ノスタルジックなポップセンス、泣きを含んだ歌声、オタクの心情を、夢想を交えながら歌った歌詞のユニークさはこの時すでに抜きん出ていた。

 

WEEZER Pinkerton DGC/Geffen(1996)

失恋を含むリヴァース・クオモの挫折を歌い上げた、オタクのバイブル。日本における人気、リヴァースのオタク・キャラも決定づけた2作目。アンチ・マチズモとセルフ・プロデュースによるゴツッとした演奏が後のエモに与えた影響は見逃せない。

 

WEEZER Weezer(Green Album) Geffen(2001)

〈Blue Album〉を手掛けたリック・オケイセックをふたたび起用した普遍のポップ・アルバム。実は解散の危機からの復活を印象づける起死回生の一枚でもあった。ハード・ロッキンな“Hush Pipe”とネオアコ風の“Island In The Sun”といった新機軸も話題に。

 

WEEZER Maladroit DGC/Geffen(2002)

前作からわずか1年のタームでリリースし、完全復活をダメ押しでアピールした一枚で、サウンド的にも前作の延長線上でダーク&ハードに迫る。シングル・ヒットした“Dope Nose”や“Keep Fishin'”がよく知られているが、エモい“Slob”という隠れた名曲も。

 

WEEZER Make Believe DGC/Geffen(2005)

全米2位を記録した中期の傑作。リック・ルービンと完成させた。1曲目の“Beverly Hills”こそ意表を突くラップ・ロックながら、それ以外の曲にはファンが求めるリヴァース節を満載。“Perfect Situation”という新しいアンセムも生まれた。

 

WEEZER Weezer(Red Album) Interscope(2008)

いわゆる〈ウィーザーらしさ〉からの脱皮をテーマに掲げ、ラップと讃美歌パートを含む組曲やファンキーなロック・ナンバーにも挑んだ意欲作。レーベルに求められ、いわゆるウィーザーらしい“Troublemaker”“Pork And Beans”の2曲を追加した。

 

WEEZER Raditude DGC/Interscope(2009)

ヒップホップ畑のジャーメイン・デュプリをはじめ、外部の才能と半数以上の曲を共作。エレポップも含む多彩な曲の数々は、前作で挑んだ〈脱ウィーザー〉をこじらせてしまった印象も。しかし、メロディーそのものは、リヴァース節以外の何物でもない。

 

WEEZER Death To False Metal DGC/Interscope(2010)

トニ・ブラクストン“Unbreak My Heart”のカヴァーも含む未発表曲集。アウトテイクとは思えない曲の出来に驚かされるが、リヴァース自身も正式なアルバムとして数えているという。グランジ調の“Everyone”はファンなら聴いておきたい。

 

WEEZER Hurley Epitaph(2010)

『Raditude』と同じく、大半の曲をライアン・アダムス、リンダ・ペリーらと共作しながら、サウンドそのものは原点に回帰。昔からのファンを狂喜させたエピタフ移籍作。共作によってストレートなパワー・ポップ・サウンドが際立っている効果も聴き逃せない。

 

WEEZER Everything Will Be Alright In The End Republic/ユニバーサル(2014)

リフの立った曲が多いせいか、ややマッチョにも感じられるが、三たびリック・オケイセックと組んだことも頷けるパワー・ポップ作品。ベスト・コーストのベサニー・コセンティーノが“Go Away”に加えた可憐な歌声も聴きどころだ。

 

WEEZER Weezer(White Album) Crush/Atlantic/ワーナー(2016)

“Thank God For Girls”“Jacked Up”ではモダンなポップ・サウンドに挑戦した〈White Album〉。それに加えて、ビーチ・ボーイズの影響といった新機軸と往年のファンが求める〈らしさ〉が絶妙に交差。彼らがいまも現在進行形であることを物語っている。