ブラームスの《チェロ・ソナタ》など幾度と共演しているチェリスト、ヨーヨー・マとピアニスト、エマニュエル・アックスという2人の盟友に、ギリシャのヴァイオリニスト、レオニダス・カヴァコスが加わった新録音はブラームスの『ピアノ三重奏曲全集』。3人が絶妙なバランスを取りながら、曲自体の美しさを引き出し、このアンサンブルを楽しんでいる。旋律をたっぷりと歌いあげ、しなやかに流れる音色。特に《第1番》の第1楽章では、息の長い旋律の瑞々しく内面から溢れる情熱を、一歩引いたところで静かに語っているような落ち着きのある演奏を聴かせてくれます。