現代のジャズ・シーン、ひいてはドラム界を代表するドラマー/ビートメイカー、クリス・デイヴ。ソロ・プロジェクトでの傑作デビュー・アルバム『Chris Dave And The Drumhedz』を今年1月にリリースしたばかりの彼が、バンドを率いて5月29日(火)にBillboard Live OSAKAにて、5月30日(水)と31日(木)にBillboard Live TOKYOにて来日公演を行う。待望の来日まであと約一か月。これを機に、本稿ではクリス・デイヴ&ザ・ドラムヘッズのライヴの観どころをご紹介したい。
クリス・デイヴはエド・シーランやジャスティン・ビーバー、アデル、宇多田ヒカルといったポップ・スターの録音にも裏方として参加しているが、その本領を発揮するのはやはり生演奏の現場で、だろう。それは、エクスペリメンタル・ソウル・バンドを標榜するWONKがクリス・デイヴの魅力を語ったインタヴュー記事にもある通りで、絶大な〈主人公感〉が感じられるライヴをまずは観てほしい、というのが彼のファンたちが真っ先に言うこと。ましてや、今回は自身がリーダーの〈クリス・デイヴ&ザ・ドラムヘッズ〉での来日だ。唯一無二のドラマー=クリス・デイヴのプレイを堪能するベストな機会だろう。
例えば、以下のビデオでは、クリス・デイヴの自由奔放なプレイと繊細な技術とを同時に感じることができるだろう。ヒップホップ的な崩したプレイで知られるクリス・デイヴだが、当然、それは非常に高いスキルに裏打ちされている。
ハービー・ハンコックの“Actual Proof”を、ベーシスト、ギタリスト、フルート奏者との4人というミニマルな編成で演奏している以下のスタジオ・セッション映像も必見だ。後半で他のメンバーを無視し、ひとりだけBPMをぐっと落として叩く場面はクリス・デイヴの面目躍如。異能を示すとともに、テクニシャンとしての側面が存分に伝わってくることだろう。また、〈シュワーッ〉という独特の音を鳴らす螺旋状のスパイラル・シンバルにも注目。音色にこだわる彼のトレードマーク的な楽器だ。
同セッションからは、カリーム・リギンスの“J Dilla The Greatest”をカヴァーしたこちらも必見。クリス・デイヴのヒップホップ・サイドの才能を知ることができるだろう。他の3人がシンプルなフレーズを繰り返すなか、終始ドラム・ソロ状態のクリス・デイヴは拍を無視したりBPMを遅らせたりと、自由自在な叩きっぷり。
いかがだろうか? 常人離れした発想力と強じんなグルーヴと高い技術とが同居したクリス・デイヴ&ザ・ドラムヘッズのライヴを生で観たら、あなたはきっと圧倒されるはず。ジャズの世界に留まらず、〈世界最高峰〉と言っても過言ではない天才ドラマー=クリス・デイヴの来日公演、これを観逃す手はないだろう。
LIVE INFORMATION
クリス・デイヴ&ザ・ドラムヘッズ
2018年5月29日(火)Billboard Live OSAKA
1stステージ 開場 17:30/開演 18:30
2ndステージ 開場 20:30/開演 21:30
サービスエリア 7,900円/カジュアルエリア 8,900円
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2018年5月30日(水)、31日(木)Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場 17:30/開演 19:00
2ndステージ 開場 20:45/開演 21:30
サービスエリア 7,900円/カジュアルエリア 8,900円
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■メンバー
クリス・デイヴ(ドラムス)
ジーン・ムーア(ヴォーカル)
ボビー・スパークス(キーボード)
アイザイア・シャーキー(ギター)
ニック・マクナック(ベース)