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4人に責任がちゃんとあるのがいい(清浦)

――RYUTistはふつうのアイドルとあんまり関わらないようなミュージシャンの方々と関わる機会が多いじゃないですか。そもそも、元シュガーベイブ(村松邦男)と関わるアイドルなんてそういないわけで。

みくちゃん「吉田豪さんからしたら、〈えーっ、北川さんと沖井さん?〉みたいな感じの方たちとたくさんご一緒させていただいてるから、一緒になってから気づくことは多々ありますね」

――シュガーベイブをバックに歌うなんてありえない話ですからね。

のんの「ありえないですよね。すごいことをさせてもらってます」

――たいへんなことをしてるはずなんですよ。それこそ小学生ぐらいから杉作J太郎と絡み続けてきたアイドルなんてそういないはずなので。

北川「え! そうなんですか?」

――ボクと杉作さんのトーク・イヴェントに毎回ゲストで入ってて、ボクがカヴァーの選曲をして新しいレパートリーとしてやってもらう企画をずっとやってたんですよ。つまり、RYUTistのライヴ&トークをボクと杉作さんのゲスいトークで挟むみたいな謎の企画がずっと行なわれていて。

のんの「フフフフ、デビュー当時からずっと」

清浦「そこにも染まらない良さが(笑)」

――たいへんな事件もありましたもんね。

のんの「ハハハハ、ありました(笑)」

――杉作さんが食べもの占いにハマッてて、好きな食べものを聞くだけで運勢がわかるってことでメンバーみんなに何が好きか聞いて、とあるメンバーが答えたら〈……あなたはいま旅立とうとしてますね〉って。その子は卒業が決まってたんだけど、まだ発表する前で。

北川「当たっちゃったんだ(笑)」

――ステージ上に微妙な空気が流れたけど、ボクらは当然何も気づかず。

のんの「杉作さんもご存じなかったから」

むぅたん「〈当たった!〉って思って」

のんの「思い返すとすごい予言が」

――いろんなことがありました。

北川「僕は沖井くんが曲を書いたっていうところで初めてちゃんとRYUTistを聴いて、そこからのスタートだったんで。あとレコーディングで初めて会ったから前回の歌録りも知らないし、前回と今回で差があったりしたのかな?」

沖井「単純に前のヴォーカル録りのときよりも堂々としてたなっていう感じはあったけどね。慣れだけじゃないんじゃないかな、意識がちょっと変わったかもしれないし」

北川「いつも誰から歌うのかもわからないから聞いたら、〈……え、どうする?〉みたいな、出方をうかがうみたいな感じで。いつも決まってないの?」

ともちぃ「いつもはだいたいこのふたり(ともちぃ&むぅたん)から始めるんですけど、そのときは緊張してて答えられなかった(笑)」

北川「〈どうしよう、1番に出たくない! 1番目に出たら怒られる〉みたいな(笑)。誰も出てこなくて譲り合ってる感じだったんだけど、そういうことだったのか……ショック」

沖井「最終的にいつもと違う順番で歌いはじめたよね」

のんの「みくちゃんから」

ともちぃ「あれ初めてだったんだよね」

清浦「人柱(笑)」

みくちゃん「このふたりがいつもいって、3番目か4番目なので、ふたりの歌を聴いていろいろ準備しようと思ってたんですけど、いきなり〈じゃあ〉みたいに私に回ってきて、〈えっ?〉と思って。すごかったよね、帰ったあとずっと机にこう……(笑)」

のんの「そう、帰ってきたら放心状態で」

――心が折れるぐらいの何があったんですか!

みくちゃん「〈終わった!〉って思って、とりあえず机に突っ伏して」

――それ、あとの人は相当怖いじゃないですか。絶対、怖い人にシメられたぐらいの空気になってますよ!

北川「録ってるとこ見てるからいいけどね。別室だったら怖いけど(笑)」

清浦「今回、歌い分けはともちぃが振り分けたっていう話を聞きました」

ともちぃ「はい、私と安部さんと相談しながら一緒に考えました」

清浦「いつも担当があるみたいなことを言ってて」

沖井「ああ、ナントカリーダーみたいな」

のんの「あります。ダンス・リーダーがむぅたんでヴォーカル・リーダーがともちぃで、RYUTistのリーダーが私で、みくちゃんは……かわいいリーダー?」

みくちゃん「やめてください! なんもないです!」

のんの「……ということでやってます」

清浦「だから、なおさら普段一番先にいかない人がやったから」

みくちゃん「そうなんです、みんなを隠れ蓑にしてる人が(笑)」

――〈私、まだ新入りだし〉って感じで(笑)。

ともちぃ「気配を消してたね(笑)」

みくちゃん「フフフフ、気配を消して」

清浦「4人に責任がちゃんとあるのがいいなと思って。大事なことだと思って」

沖井「コーラスのパートも多かったよね。誰がどのパートを歌うかっていう振り分けは任せたんです。それをRYUTistが徹夜で考えてくれて」

――ヴォーカル・リーダーが。

清浦「夜中1時に依頼されて」

北川「この人のせいで(笑)。沖井くんがギリギリにやったのを、全部譜面とか書いてくれて」

ともちぃ「はい」

沖井「僕が知らない間に全部やってくれたんですけど、それがものすごくよく出来てて。それは自分たちの声をきちんとわかってるからできることだし、ふつうのコーラス・グループとしてRYUTistって素晴らしいなと思いました」

RYUTist「ありがとうございます!」

 

ここまで自分でできる人たちなんだって。譜面に強いんですよ(沖井)

北川「オチサビのところの順番を入れ替えたでしょ。あそこがすごいよかった。最後のサビにつながる前に1回落ちるところで、ひとりずつ歌うところがあって。最後のサビにつながる直前の歌詞が……」

むぅたん「〈夜明け待つ流星〉」

清浦「あそこカッコよかったー!」

北川「あそこは最初ちょっとフワッと歌ってたんですけど、強く歌ってくださいってお願いして。そこがズバッと入るカッコよさがあるから、そこを歌うときは〈こういうポーズで歌ってください〉って言って」

――右手を上げて宣誓してるような感じで(笑)。

北川「あそこはすごいよかったなと思います」

むぅたん「好きです」

ともちぃ「すごい好きです。あそこからのサビにいくところが」

北川「みんながドーンと入ってくる感じが。完成したヤツを聴いても、あそこの落ちて上がってくるところがすごいグッとくるから、ああやって歌ってもらってよかったです」

むぅたん「オチサビ歌うとき、私はウィスパー・ヴォイスで歌いがちだったんですけど、今回のレコーディングで思い切り声を出して大サビにつなげるっていう表現方法を知れたので、すごくいい経験になりました」

北川「あそこすごくいいと思う。ライブで聴いたら泣いちゃうと思う」

ともちぃ「泣いちゃう!」

清浦「ビックリした」

北川「そのときは一緒に手を上げてるけど(笑)」

みくちゃん「全員で(笑)」

北川「歌の最初の入口のところも、僕はそんなにみなさんのキャラクターがまだよくわかってなかったんですけど、ちゃんとわかって考えてくれてるのもあるのか、リレーしていく感じがいいなと思って」

ともちぃ「よかったー。清浦さんが歌詞を渡してくださったとき、青と赤で分かれてたんですよ」

清浦「分けてた分けてた」

ともちぃ「最初、安部さんとふたりで歌割りを考えてたとき、けっこう4人がバラバラで歌っていく感じにしてたんですけど、途中で、あれ、この青と赤って清浦さんが意図的に固定のチームにしようとしてるんじゃないかと思って。そういう意図があったんですか?」

北川「何を言われても対応できるようにヴァリエーションを考えててくれて。いやいや、そんなことやってるあいだに寝たほうがいいんですけど(笑)」

清浦「その振り分けは私が考えたわけではなくて、沖井さんと北川さんがメロディーを作ってる段階で全員が歌うところと赤青になってるパートは音が分かれてたから、一応それに沿って色を替えてただけで、べつに深い理由はなかったんだけど、あとから聞いてそこですごい混乱させてしまったなと思って」

北川「〈私が赤を歌っても大丈夫ですか?〉みたいな(笑)」

清浦「むしろ『青空シグナル』のときも振り分けをみんなでやってるっていうのは知ってたから、そこはお任せしようと思ってて。言葉足らずですみませんって感じでした」

ともちぃ「よかったです」

――ヴォーカル・リーダーのプレッシャーが相当あったわけですね。

北川「めちゃめちゃ宿題もあって」

清浦「ただでさえ沖井さんのコーラスは難しいのに。私、一番わかるので」

沖井「いつもやってるからね」

北川「その話も聞いてなかったから、〈振り分けとかこっちで考えたほうがいいんじゃないの?〉って訊いたら、〈大丈夫、みんなで考えてるから〉って言われて、そうなんだーと思って」

清浦「〈できる子たちだから大丈夫です〉みたいな」

北川「〈コーラスとかこっちでいろいろ用意したほうがいいんじゃないの?〉って言ったら、〈いや大丈夫、やってるから〉って、何を聞いても〈大丈夫〉って言われるから、そうなんだーっていうフワッとした情報でお土産だけ買っていきました」

むぅたん「うれしかった(笑)」

 

ともちぃはアシスタントにほしいぐらいです(沖井)

――沖井さんのなかではすごい信頼感があるんですね。

沖井「そうですね。前回ビックリしたので。ここまで自分でできる人たちなんだって。譜面に強いんですよ。僕はぶっちゃけオタマジャクシ読めないんですけど、読める人たちがいるので。だとしたら、メンバーの声の一番おいしいところは本人たちのほうがわかってるから、逆にそこはやってもらっちゃったほうが正解に近いものができるっていう。ここまでメンバーに頼れるアイドル・グループってなかなかいないと思うんですよ、音楽的に」

――まあ、そうでしょうね。

沖井「あと僕が出した譜面でコーラスがあるじゃないですか。ここちょっとおかしいんじゃないかっていうところを先回りしてちょっと直してあったりする。〈あ、ここ直されてる〉って(笑)」

ともちぃ「……え、どこですか?」

沖井「スキャットのパートだったと思うんだけど。結果OKだったので」

――それはヴォーカル・リーダーの独自の判断で?

ともちぃ「えっ……」

沖井「おそらくそうだと思います」

北川「〈こいつ間違えてるわ〉って(笑)」

――〈こっちのほうが正解だろう〉と。

ともちぃ「譜面には書いてあって、いただいた音源には入ってなかったところがあって」

沖井「あれはまた別の僕のミスなんですけど」

北川「いつもミスだよ!」

みくちゃん「すごいんですよ。たまにいただいた音源と譜面の音が違ったりするときがあるんですけど、4人の音をスマホのキーボードで弾いて、〈これちょっと不協和音だから、たぶんこっちの音源で合ってる〉みたいなのをやってくれたり」

――すげーっ!!!

みくちゃん「ひとりひとりのパートにわかるように音を書いてくれたりも全部ヴォーカル・リーダーがやってて」

――ホントにヴォーカル・リーダーじゃないですか!

沖井「完全にそうなんですよ」

ともちぃ「譜面がちゃんと読めるのが私しかいなくて。みんなも練習するときに楽譜だけだと読めないから、〈ラ〉とか〈ファ〉とかカタカナで書いたほうが練習しやすいかなと思って書いてるだけなんですけど」

沖井「それだけでもたいへんな手間になるよね。あと、みなさん音感がけっこうしっかりしてて。ともちぃは絶対音感あると思うんだけど、みんな絶対音感まではいかないけど大体音感みたいなのはある感じがして、そこはすごく頼もしいですね。ともちぃはアシスタントにほしいぐらいで(笑)」

ともちぃ「(本気で)え、沖井さんのアシスタントさんできるんですか?」

清浦「ダメだから(笑)」

北川「やめたほうがいい!」

――みなさん真顔で止めてます(笑)。

沖井「すごく音楽的な現場なんですよ。だからふつうに行ってて楽しいしストレスないし。RYUTistのみんなはものすごいストレスになってると思うけど……」

のんの「そんなことないです(笑)」

沖井「あとキーチェックとかもデータのやり取りでやらせてもらったじゃないですか、あれはすごい助かりましたね。あそこで最終的に半音下げたもので録ったけど、半音下げてなかったら〈♪流星〉ができなかったから」

むぅたん「ギリギリでした」

みくちゃん「すごい!」

ともちぃ「あれが生まれなかったんだ」

沖井「いろんな偶然が奇跡を生んでるんですよ。いい思い出ができましたね」

――そこもヴォーカル・リーダーの功績なんですか?

沖井「あれは半分偶然みたいなところがあったよね。最初、あそこはファルセット用に作ったメロディーだったんだけど、もうちょっと下げたほうが下が豊かになるだろうなと思ってちょっと下げてみたんですよ。そしたら、むぅたんのあそこを録るときに〈これもしかしたら地声でイケそうだよ〉って北川が言い出して」

北川「〈地声で強く歌ってほしい〉って急にお願いして」

沖井「最初はむぅたんもけっこう戸惑いながらやり始めたんだけど、〈よし、やったろう〉って腹を括る瞬間があって」

北川「そこから自分で〈もう一回お願いします〉って何回も歌ってたから」

沖井「そこでむぅたんが頑張ってるあいだも、3人の〈頑張れ頑張れオーラ〉が伝わってきて。だからいいチームだなと思って」

むぅたん「けっこうみんなのパワーが溜まって出た声」

みくちゃん「よかった!」

のんの「私は出せない」

沖井「あの瞬間はミラクルだったよね。いい思い出があるね」

 

彼女たちのために今年一番いい曲を作ろうぜ、と(北川)

――RYUTistは歌もダンスもスキルが高いけど、それが押しつけがましくない、すごくいいバランスだと思っていて。

清浦「そうですよね」

北川「そうなんだ……すごい……。僕はまだダンス見たことないので楽しみです」

――プライヴェートなしでレッスンしてるだけのことはあるっていう。

清浦「涙なしには語れません(笑)」

――北川さんはRYUTistにどんな印象があったんですか?

北川「沖井くんが書いたっていうので曲を聴いてビデオを観て、やるってことになってほかの曲も聴かせてもらったんですけど、不思議な感じというか、押しつけがましくないというか。何も知らないですごくアイドルアイドルした感じの曲を書いてもいいのかなと思って行ったら、〈いや、そういうんじゃないから〉って言われて(笑)」

――〈もっといつもの曲でいいから〉っていう。

北川「〈いつものヤツをやってくれ〉みたいな感じで。で、アルバム聴いた時、こういう人たちでこういう音楽やってるんだ、なるほどっていう。じゃあ僕はふつうにシングル曲で彼女たちのために今年一番いい曲を作ろうぜ、みたいな感じ。具体的なことは何も言ってないですけど(笑)。とにかくそこに呼んでくれてふたりで書けっていうのはおもしろい企画だから、それを含めていい曲を書きたいていうのは思いました」

沖井「LINEで作曲についての打ち合わせをしたとき、やり方うんぬんみたいな話をいろいろして、だんだん面倒くさいぞって感じになったとき、〈とにかくいい曲を書こう〉って。でも、それが美しかったかなと思う。〈欲しいのはこんなキャッチーな曲ですよ、こうですよ〉っていうんじゃなくて、〈いい曲が欲しいんですよ、RYUTistは〉っていう話がこの現場のいいところだと思うので、それがうまく北川に伝えられてよかったなとは思いましたね。

ふたりでギター持ち寄って、僕は北川が書く曲が好きだし、北川も僕が書く曲を認めてくれてると思うんだけど、こういうのってお互いに相手の欠点みたいなところを探し合う作業になりがちだったりするじゃないですか。そうじゃなくて、自分が思ってる相手のいいところをどうやって引き出し合うかみたいな作業になったのがよかったと思います。おもしろかったですよ」

――こういう合作で100点が出ることってあんまりないですからね。

沖井「たいてい何かあるじゃないですか。うまくいったなと思います」

北川「作ってるときもサクサク進むし、すごく早く出来たし、これどんどん曲できるよと思って。この先もオファー募集中です」

――このユニットが本格的に動き出す可能性が(笑)。

北川「……と思いました」

――沖井さんは最初にRYUTistと絡んだときはどんな印象だったんですか?

沖井「最初にお話をいただいたのは去年の秋か暮れぐらいだと思うんですけど、『柳都芸妓』(2017年)をその前に人づてに聴かせていただいてて、これはすごいことになると思ってたんです。まさか自分に声がかかると思ってなかったから」

――ふつうにいいアルバムだなと思ってたら。

沖井「これはいいアルバムだなと思ってて。だから最初にお話いただいたときはけっこうプレッシャーでしたね。とにかくいい曲ばっかりじゃないですか。簡単にはどうにもなんないぞ、みたいな感じで緊張しました」

――RYUTistはプレッシャーを与える存在なんですね(笑)。

沖井「あまりない種類のプレッシャーでしたね。そこでもう腹を括るしかないなと思って。その前に安部さんと打ち合わせしたときも、安部さんは僕のこと信用してくださってて、僕の音楽もよくご存じだっていうことがわかったんだけど、それはそれでプレッシャーじゃないですか(笑)。

歌える子たちだっていうのは『柳都芸妓』を聴いてわかってるから、そこは唯一の安心材料というか。実際、レコーディングになんとか漕ぎ着けて、それはすごく楽しかったし。楽しかったからまたやりたいなと思ってたら、〈北川さんと一緒にやりませんか?〉っていうもっと楽しい企画をいただいて。純粋に楽しかった」

RYUTist「ありがとうございます」

沖井「また書かせてね」

みくちゃん「わーっ、お願いします!」

のんの「ぜひ!」

 

そんな短時間であの名曲が生まれたんだ……(のんの)

――いいアルバムを作ってきたグループが、わかりやすくいいシングルを作る体制ができたってボクは解釈してますね。

沖井「なるほど。しばらくシングルを出されてなかったんですよね」

ともちぃ「『青空シグナル』までは2年半ぐらい」

のんの「『青空シグナル』でみくちゃんが初めて」

みくちゃん「初のシングルで、またそこからちょっと期間が空いて」

のんの「こんなにすぐシングルまた出せるのすごいよね」

ともちぃ「初めて」

沖井「そんなタイミングで呼んでいただけてすごく名誉だなと思います」

みくちゃん「こちらこそです」

沖井「ビックリしたのは7月に7周年のライブやってたじゃないですか。そのときに〈11月にシングルを出します〉って発表してたじゃない? 僕、ネット・ニュースか何かで見て、〈11月にシングルを出すんだ、楽しみ〉って思ってたら」

――他人事のように(笑)。

沖井「そうそう。9月に安部さんから電話かかってきて、〈11月にシングル出すらしいじゃないですか〉って言ったら、〈沖井さんですよ!〉って言われて、〈俺か!〉って(笑)」

清浦「アルバムのときに〈曲またお願いします〉みたいな、ふんわりした約束はあったんですけど」

沖井「そんな感じだと思ってて」

清浦「まさかこんな急に」

沖井「TWEEDEESのアルバムが9月20日にマスタリングが終わったんだけど、もうすぐできそうな雰囲気っていうのをたぶん察知して。たぶんTWEEDEESで忙しいんだろうなって気を遣ってくださったんだと思うんだけど、こっちはホントに油断してて、RYUTistがシングル出すの楽しみだなと思ってて。そのときに〈北川さんと〉っていう名前が出てきて、それはものすごくおもしろそうだけど、すっげえ時間ねえぞと思って。でもその時間のなさがまたよかったよね、きっと」

北川「うん」

沖井「この日しか一緒に作業できないっていうのがわかって。その日のうちにいけるとこまでいかないとっていうのがあったから」

北川「構成をまず作って、すぐ〈歌詞をお願いします〉って投げて。だから実際の作業時間はすごい短い」

沖井「5時間ぐらいかもしれない」

北川「その日があって、2週間経ってないぐらいでもう歌録りみたいな」

沖井「曲もゼロスタートで作り始めて歌を録ってミックスまでの完パケってたぶん10日ぐらいだよね。でも、それはこの3人だからできたと思ってて。僕と北川くんのどっちかが歌詞を書かなきゃいけないんだったら、またそれはそれでたいへんだっただろうし。アレンジはけっこうお互いの得意技がわかってるからさ」

北川「分けてね。何から何までうまい感じにいきました。1個つまずいたらできてないと思うし」

清浦「1日たりとも落とせなかったので」

のんの「そんな短時間であの名曲が生まれたんだ……」

沖井「時間かければできるってわけじゃないからね」

むぅたん「すごい……」

沖井「すごくいいテンションだったんで」

――今回、(吉田が)Twitterでアイドル関係の動画を貼って投稿するときに〈最高!〉って言葉を添えたのは久しぶりな気がします。

みくちゃん「見ました!」

沖井「あれはうれしかったです」

みくちゃん「すっごいうれしかった!」

――だいたい無言で貼るパターンが多いですからね。〈良かったです〉ぐらいのテンションで。

北川「だから、いろんな人に聴いてほしいですね」

RYUTist「はい!」

――そして、この制作チームが今後もまた何かに発展していけば。

沖井「そうですね。直前でもすぐ作るんで(笑)」

――実績も作っちゃいましたからね。このぐらいの日数でもこのクオリティーのものができますっていう。

沖井「できるもんだなーって話をしたよね」

北川「〈できたねえ!〉って」

沖井「しかも、けっこういいし。われわれ的にもビックリしました」

北川「次回はもうちょっとだけ早めにお願いします(笑)」

――ヴォーカル・リーダーがいてこその、この日数ですね。

沖井「それは絶対ありますよ!」

清浦「間違いない」

ともちぃ「ありがとうございます」

――とりあえず北川さんが怖くないことも伝わったし。

みくちゃん「はい、もう大丈夫です」

のんの「最初だけですから!」

北川「ジャケもビデオも映画っぽくていいですね」

沖井「うん、よかった」

みくちゃん「映画っぽく撮っていただいて」

沖井「デザインとかMVもそうだけど、よくあの短期間であれを作ったなっていう。MVもすごくいい出来だと思うんですよ」

――1日で撮ったんですよね?

のんの「はい、1日で撮りました」

RYUTistスタッフ・安部「1日で撮って半日で編集して」

――南波一海監督が。

みくちゃん「はい、南波監督が」

沖井「ちゃんと映画になってますもんね。あれは素晴らしい」

ともちぃ「演技が緊張した……」

みくちゃん「〈演技が濃い〉って言われて(笑)」

のんの「〈顔がうるさい〉って言われてたよね(笑)」

――南波さんに?

みくちゃん「川原でみんなでリップシンクで歌うところがあって、〈ののこさん、顔がうるさい〉って(笑)」

清浦「完全にイジりですよね」

――南波監督は口が悪いんですね(笑)。

のんの「自然に動くのが難しかったです」

みくちゃん「いつもやってることなのに、カメラが回ると、〈あれ、どうしてたっけ?〉みたいな」

むぅたん「歩き方とかロボットみたいになっちゃうんです」

沖井「(清浦に)そういうのどうすればいいんですか?」

清浦「やめてくださいよ!」

のんの「教えていただきたいです!」

清浦「普段踊ったりしてるから、何か決まってることがあったほうが楽ではありますよね。自然な表情って一番難しいだろうなって思うし」

むぅたん「難しかった……」

――手をどこに置いたらいいのかとか、よく悩んでる人いますよね。

北川「そういうのって1個でも思った瞬間に動きがガチガチになりますよね」

のんの「あと使う用に撮ってなかった場面がけっこう使われてました」

北川「それが自然だからじゃない?」

のんの「そうなんですよ(笑)」

みくちゃん「南波さんに、〈演技した部分は一切使わなかった〉って言われました(笑)」

清浦「さんざんなこと言っといて(笑)」

みくちゃん「回ってないと思って何かやってたところが使われてて」

――演技すると顔がうるさいから。

みくちゃん「演技がダメだったから(笑)」

のんの「それでよくなったね」

みくちゃん「うん」

のんの「よくなりました」

沖井「何度も観てるもん。ちょっと泣いたりしてる(笑)」

RYUTist「ありがとうございます!」

沖井「あれは泣けるよね」

ともちぃ「後半にかけてすごい感動します」

――曲もPVもものすごい短時間でできたわけですね。

北川「これで、〈これぐらいあればできるんでしょ?〉って次は失敗するパターンかもしれない(笑)」

沖井「たまたまだから」

北川「今度は間に合わない(笑)」

 


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11月25日(日)東京・新宿ReNY
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