フォーク~ダブステまで飲み込むUKの逸材と共振するディスクあれこれ
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雪は昨年も降った。こちらはロス・トーンズがハンナ・カートライトと推進するユニットのアルバムで、支配力のある彼女の歌声とアグレッシヴなベースの蠢きがグイグイ高め合うトリップホップ作品になっている。ブルー・デイジーの参加も!
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スクリーム配下からのリリース歴もあった、ブリストルのフェラー=マット・プレストンのセカンド・アルバム。印象的な歌唱で“Whistling In The Dark”を包み込むオーガスタス・ゴーストとは、スノー・ゴースツのハンナのこと。これもロスに似たトーンのサウンドだ。
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これもいまのブリストル……ペヴ(ァラリスト)にカウトン、アススから成るチームで、インダストリアルなテック・ダブステップ群で注目のリヴィティ・サウンドだ。これは鋭くて怖い彼らのエクスペリメントがガッツリ満載された危険な初コンピ。
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カーンやゾーも名を連ねるヤング・エコーは、ピンチのような先達からも認められているブリストルのコレクティヴ。旧来のご当地サウンドを望む視線も意識はしつつ、インダストリアル・ダブやクラウド・ラップも入り乱れる様子にバッド・テイストな楽しさがある!
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『Mosaic』を聴いてこのロンドンの才人(出身はエセックス)を思い出す人も多いのでは……と思ったら、そこに参加したヴォーカル陣のうち、パイとジェイシー・グレズはラパラックスの本作でも歌っていたのだった。共振しながら屈折する今様のうたもの。