BANKS 『London』 Good Years/Harvest(2013)

本EPのリリース後に〈Sound Of 2014〉で第3席を射止めたLAのシンガー・ソングライター。ジェイミー・ウーンらの提供した楽曲はFKA世界とも共振するものだが、恐らくもっとラナ・デル・レイ寄りと思しき本性は、9月に登場予定のアルバム『Goddess』(シュローモも参加!)で剥き出しにされるはず。

 

SOHN 『Tremors』 4AD/HOSTESS(2014)

ジェイムズ・ブレイクが現在の作風から離脱を表明しようとも、デフォルト化したエレクトロニックな〈うたもの〉は枝分かれしながらも伸びていくだろう。例えば上掲のバンクスも手掛けるこのソンは、リリカルなダウンテンポを程良いメランコリアで包容する才人のひとり。FKAとの相性も良さそう。

 

BOK BOK 『Your Charizmatic Self』 Night Slugs/BEAT(2014)

 本作に収録の“Melba's Call”で歌うケレラはキングダムに見い出されたDC出身の歌姫で、〈Sound Of 2014〉入りも果たした注目株。同系に括られる面々よりは直球のR&B唱法(とコーラス)が快く、“Melba's Call”やミックステープ『Cut 4 Me』ではティンバったノリも手伝って実際にアリーヤっぽい。

 

THROWING SNOW 『Mosaic』 Houndstooth/Pヴァイン(2014)

ダブステップ以降のダビーなベース音楽という意味でのモダン・トリップ・ホップを推進してきた点では、このブリストルの才人に一日の長がある。タイプの違うヴォーカリストをそれぞれ配して聴かせるある種のポップネスは、FKAやケレラに少しずつ重なり合うところがあるだろう。

 

INC. 『No World』 4AD(2013)

 インディー文脈の紡ぐチル&Bのスタンダードとして絶賛されたインク。本作リリース後、しばしの沈黙を破ったのがFKAとの共作シングル“FKA x Inc.”だったのは驚きだが、強烈な個性を立てつつ彼ららしいウェットな成分(4AD感?)を注入する、慎ましいアクの強さは流石だった。コラボは続くのか?

 

JHENE AIKO 『Sail Out』 Artium/Def Jam(2013)

 ソランジュが『Saint Heron』にコンパイルしたアーバンとインディーの両文脈において、その接合点でアトモスフェリックな身のこなしを見せるのが彼女。前線復帰してきた姉のミラJ(トレイ・ソングズ“Disrespectful”は必聴!)の動向も含め、そそり汁の滴るフル・アルバムを楽しみに待ちたい。